シドニー生活

中年研究者のお話

辛かった

今日は辛かった。辛かったまじで。今日の講義本当に2時間よく耐えたと思う。よく途中で逃げなかったな。本当に辛かった。

"Research Ethics and Integrity"

なんだこれって科目ではない。ResearcherはEthicsは知っておくべき学んでおくべき事なので必須。去年も違う学部だったけど必須だったからEthicsで色々と学ばせてもらった。今回はもう少し狭いResearch Ethicsだけどこれがとんでもなかった。科目が科目だけに日本語でも辛い。なのにここまでがんがん先生に質問されたり、Case studyをどんどん持ち込まれディスカッションをこなし、グループ発表したり、とんでもない。とんでもないよ。Case studyの内容を読んで理解するのもめちゃくちゃ遅い。なのにとにかくがんがん話さないといけない。先生がどんどん来てくるから、目を合わせなくて良いってレベルでもない。しかも先生とローカルが早口すぎ、全然聞こえない。全然聞こえない。こんなテーマを「あれじゃない?」「これじゃない?」ってようそうも次から次へと考えが出るなと。授業スタイルが特にとんでもない。

今日の講義はMPhilとオナーズ対象。オナーズは多分、私のことを「は?」と思ってるのは明らか。そしてMPhilのみんなも同じこと思っていると思う。「あいつ英語も話せないし聞こえてないのになぜここに来れたんだ?」「何でいるんだ?」状態。去年よりアウェイ。去年はインターナショナルがいたから周りも今思うと優しかった。今はローカルが争う数少ないポジションにこの意味不明の英語も話せない奴がいる。みんなが「は?」ってなるのも納得。というより、本当に何もできない自分が嫌なんだ。そのテーマに対して日本語ですら考えが湧いてこないこと自体がもっと問題。考えに柔軟性もない。

「もう消えてしまいたい」と去年の1年間だけでも講義中に何度も思ったことか。でも今日ほどに辛かったことはない。いつも心の中で「ここで学ばせてもらえて感謝」「ここに私のレベルの人間がいられるだけで夢のようだ」と思っている。悔しい場面がくるたびにそう思った。自分のレベルの低さを突きつけられるたびにそう思ってたけど、今日はそれを超える辛さ。「まだあなたいたのね?」って大学から言われたような気がした。本当に能力も才能もない私。はぁ、何でこんな事を決断したんだろうか。日本にいて安定した暮らしはあったはずなのに。もう精神スレスレ。

これが現実。去年も大きな学部にいてもたった一人の日本人。今年も一人だけど、もう本当に自分が消えた方がいいんじゃないかとさえ講義中に何度も思う。吐きそうになった。日本にいたらきっと感じるようなことがない感情。今日のは別格。

 

講義が終わって研究室へ戻ったけど、もう頭も心も動きそうにないのでお弁当のエッグマフィンとお茶を持って外へ。でも歩く元気もなくてFaculty Buildingの前のベンチでマフィンを食す。でも涙が出そう。私もバカだった。Facultyビルの前にいたら知り合い通るだろって話。10分もしないうちに同じ部屋のC先生が帰宅の装いで通りかかって少し会話。

「○○!Do you want milk?」

笑。屍の私、かなりオーラ消してるのに、こんな質問してくるC先生いつも陽気。

「I love milk! Why?」

どうやらミルクをいっぱいもらったから、私たちの研究室じゃない向かいの部屋の冷蔵庫にストックしたから持っていけってことらしい。

はぁ。

会話の後も屍。ポストの横に座る私。そしたらまた知ってる学生が出て来た。PhDのSくん。Sくんとは今日はこの講義の前に1時間カフェでお茶したのに、屍の私をみて「何でも相談してくれ!」ってさ。もう相談するにも英語じゃん。意味ないから。よりストレスです!と変な怒りが湧き上がり嫌な奴になりかかる。とりあえず、研究室へ戻り。1時間半は作業してそして帰宅。帰り道も頭が衝撃受けすぎてぼーっとする。人にぶつかったり。気晴らしにコールズにも行って来た!はぁ。もうだめだこりゃ。朝はランニングで気持ちよく朝日を浴びて、午後イチは学生とカフェで面白い話をききエンジョイ、今は?はい、では屍モードのまま寝ます。では。