シドニー生活

中年研究者のお話

千羽海崖トレイルランニングレース2019に出場-2

初のポイントがかかった大会でDNFにあった話の続き

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これが今年2019年大会の公式映像

www.youtube.com

数回みたけどグッとくるものがある。

私が出場した2019ロング37km部門

当日473名出走

305名フィニッシュ

完走率64.58%

たったのそれだけ?

開会式

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生で鏑木さん!

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声のトーン、スピード、表情、とにかくよく人柄がでている感じ。素敵だなぁとしみじみ思った。

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コースは階段が多く含まれているので、ネット上ではこの大会のことを「階段地獄」と表現する人もいる。だから覚悟して望んだはずが、想像以上に階段地獄、一向に抜け出せない階段地獄、、、。もうこりごりです。

スタートー第1関門

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女子スタート8:00

完走を目標にしていたので、スタート前から後ろのほうでスタンバイ。スタートして数分で階段が始まる。大渋滞だけどあまり気になりませんでした。

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(写真は拝借したもの)

ただただ前の人について階段を同じペースで上り続ける。

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この区間はほとんど階段だけ(赤色の部分は階段メイン)で、ステップは少し高め。小柄の私にはこの腿上げが一番きつかった。

この階段地獄でわかったことは、私は上りでランナーを抜かすことはあっても、下りで抜かすことはない。むしろ下りで一気にランナーに抜かされた。

「圧倒的に下りが弱い」

これがわかっただけでも大会に出た価値があったと言える。日頃、1人や友人と走っているときではわからなかったことなので、大会経験の必要性をまた学んだ。

この階段地獄ではお手製のエナジードリンクとグミに手をつけた。やっぱりトレランとグミの相性はいい。

*お手製ドリンクとは出走前にエナジーゼリー数本を容器に全て絞り出してそれをスポドリで割ったもの。気軽にエナジーゼリーを摂取できる。

第1関門

ここでの貯金は30分以上!しかし貯金を大切にするため休憩は5分だけ。

第1関門ではポカリを飲んで水を500ソフトフラスクに補給。名物の焼餅は食べたいけど断念。私はあまり食がすすまなかったので、パンやフルーツなど食べているランナーがうらやましかった。

ここで疑問なのが、ポカリをソフトフラスク500mlに補給したい旨を伝えたら、拒否された。「ポカリはこのエイドでコップで飲む人のものなので、その場で飲める分の量しか差し上げれない」とね。

えーー?

選手にとって水分や電解質って命に関わることなのになぜ?なぜたった500mLのポカリを補給できないの?2回聞いたけどだめだって言われた笑。いままでマラソン大会は日本も海外も出たことあるけど、スポドリの提供を拒否されたのは初めて笑。念のためにスポドリを作る粉末をザックに入れていたので不安はなかったけど、目の前にあるスポドリをフラスクに入れられないのは拷問に近い。

第1関門ー第2関門

この区間では続々と20分遅れでスタートした男子上位選手に追い抜かれた。

ラッキーなのは上位選手の走りを生で見ることができた!かなり急な階段をハイペースで上がっていく!みなのふくらはぎの筋肉が彫刻のよう。のちに半田選手のもみたけど芸術品!ふくらはぎが膝の幅に比べてかなり太い!

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この第2関門後半の急な下りも階段が多く、相変わらず一つ一つのステップも高い。

ここでもトップ選手から学ぶ。彼らの下りスピードは尋常じゃない!かなりの角度で前のめり。もちろん舗装されていない道を走るので、着地したほうの足がずるっと滑ることもあるのに、そんなの平気なようにみえる笑。恐怖心とかないのかなぁ?尊敬する!

第2関門

ここは通過だけ。

第2関門ー第3関門

関門後は舗装された道を下りながら海岸コースへむかう。

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最後は海岸へハシゴで上陸する笑

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(写真は拝借したもの)

 

問題はここから。この先には大渋滞が待っていた。岩をにしがみついて1人ずつ渡らないといけない箇所があって、、、その岩のために20分以上待ち。初めはこの待ち時間を利用して次のコースマップをみたり食料補給したりと色々できたけど、20分も海岸に立っているとだんだんからだが冷えてきた、汗で濡れた服が冷たくなってきたからだ。 

このレベルの大渋滞は過去にはなかったらしく、その場の担当スタッフが1人そわそわしてました。「選手のロストが多すぎる」「こんなの初めてや」と何度も独り言(心の声)を言ってました笑。 

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(写真は拝借したもの)

やっと渋滞の岩場を乗り越えて海岸に着地した瞬間に大転倒。右の大腿からお尻にかけての着地だったので手や顔は怪我なし。しかし左足は完全に水の中に入ってしまい靴下までびちゃびちゃ泣。

そんな災難にあってもそれでも走るのは、さっきの岩場の渋滞のおかげで貯金がなくなった。しかもここから約3kmは海岸の砂利を走るからペースも上げれない。

そしてまた岩で転倒。ギザギザの尖った岩場は藻が付いていてすべる。ここから岩場は走るのを諦めた。砂利道だけを走ることにした。安全第一。

海岸も終盤にさしかかると「第3関門は間に合わない」という見たくない現実が見えてきた。でも悲しいけど足を止めず走り続けていると後方から「がんばれ」「もう少しで海岸終わりますよ」「あと*kmですよ」「もうすぐでトレイルになりますからね」などとしきりに声をかけてくる男性がいた。これには相当励まされた。私の周りにいたランナーも同じだと思う。

なんとか海岸が終わりトレイルに切り替わる地点でその声かけを積極的にかけていたランナーはスイーパーさんだとわかった。

スイーパーさんはここから私たちをもっと追い込む笑「まだ間に合います。だから頑張って!」「いけるいける」なんども言いながらスイーパーさんは私を追い抜いていった笑

紫が海岸コースで、茶色がトレイル

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実は海岸後のこの1kmにも満たない茶色い部分のトレイルがハード。木に捕まらないと登れない箇所や道も不安定で傾斜も結構ある。

「頑張れ」「あと6分」

周りにいる制限ギリギリのランナーたちが励まし合う中で、私は"このトレイルは時間かかるから関門は無理やって!"と心のなかで何度も叫びました。でもギリギリなら全力を出しきるしかない。

第3関門

制限時間3分前に通過!

すぐに水を補給。

諦めなくてよかった。海岸渋滞ではひやひやしたけどなんとかレース続行の権利を得た。あの海岸の渋滞がなめれば体は冷えなかっただろう、そして貯金も維持できたかもしれない。でもそれも含めてトレランなので特に文句はなし。

ここでは水を補給とトイレ。トイレは別に行きたくなかったけど、ここから次の関門までは今大会最長10kmの区間となるので念のためにね。

第3関門ー第4関門

第3関門後は舗装された登りが続く(黒色の部分)。そして舗装路からトレイル(茶色)に入る。この区間が相当きつかった。

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1kmくらいで一気に300m以上標高をあげる、これは初体験。ここまで急な傾斜の上りが続くと流石に無理!

階段地獄より、この2km弱の上りの方がやばかった。

ここまでの登りはどんな勾配でも一度も足を止めず進んだけど、ここでは時々足を止めざるをえなかった。この間はガーミンによると20分以上/kmのペース。数字をみるだけでもやばい。

私を追い抜いたランナーのうちの1人が追い抜きざまに声をかけてくれました。

「杖があるとすごくらくですよ、これ本当におすすめです」

杖というのはその辺に落ちている木の枝のこと。これをポール代わりに使用するとよいらしい。

もうこの終わりが見えない急勾配で心が折れていたので、そこからは自分と相性のよい木の枝を探しながら上りました。ついに2本の杖を手にすると、杖の偉大さがわかった。負荷が腕に分散されるのですごくらく。

なんでこれを始めからやらなかったのか、すごく後悔が押し寄せた。杖を使い始めて間も無くこの上りが終わった。

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そして前半の7kmの階段地獄とは異なり、上り切ってからがとても面白いかつ危険なトレイルコースの始まり。

19km以降が本当に楽しい

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もしこんなコースが始めから続いていたのなら楽しく走り抜けることができたけど、もう足が悲鳴あげていたので無理でした。といいつつ走れそうなところはジョグで進みました。

で、諦めたのは

21km付近...

関門に間に合わないかつ足が無理や。怪我をしないことが一番大切。だから歩こう。

 

この決断してからはトレイル一つ一つを楽しめるどころか悔しさが込み上げてきてもっと辛くなった。いままでやったことない決断「走るのを諦める」をしたとき、そこから一気に足を止める回数と止めている時間が長くなっていきました。トレランってメンタルのスポーツだなって改めて思った。

第4関門

間に合わずDNF。

成績は

距離 25.77km

カロリー 2151

累計標高 1920m

自身の記録は塗り替えることができた。

いままではRoyal National Park 30kmで累計標高は1110mぐらい。これで標高が1000m上がるだけでどれだけ負荷が変わるのかよくわかった。1000m単位ってすごく大きな違い。

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振り返ってみる

海岸岩場の大渋滞でロスした20分を持っていたら第4関門は通過できたと思う。でも第4関門-第5関門の階段地獄に耐えれる筋力がないので結局は第5関門でDNFになったまたはリタイアしたと思う。

少なくともベストは尽くした。安静時にも膝の痛みを感じるようになり年末からこの千羽の大会まで3週間トレーニング0、大会1週間前にインフル発症、それにしてはよくやった。いつかリベンジしたい。

長いのに最後までお付き合いいただきありがとうございました。

次回のスコアをかけた大会はJABULANI CHALLENGEです。

 

では。