シドニー生活

中年研究者のお話

Ultra Trail Australia 100 に出場しました!- 5

UTA100kmに出場したときの見聞録です。初めてとウルトラトレイルなので、長々と書き綴りとうとうパート5に突入してしましました。

では続きをどうぞ。

CP2-CP3 区間 

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*縦軸1目盛100m, 横軸1目盛1km

CP2までの31.6kmはあっという間で、疲れといえば左足親指と小指におそらく靴擦れ。そしていままで感じたことのない両足首の前側痛み。とはいえ、靴を脱いで確認はしなかった、だって痛みはみんなあるはず。

CP2では日本人のランナーと出会い少しだけどトレランのお話ができて、ややテンションあがったし、その勢いでとにかくこのまま進むのみ。

いざCP3 (ドロップバックがあるチェックポイント)を目指して13:31にCP2を出発。

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しばらくはのどかなトレイルが続く。CP3を出発した時は周りにランナーが結構いました。歩いている人は多かったように思います。

そして気がつくと上りがはじまっていた。この上りとにかく長く感じた。永遠と続くんじゃなかろうか・・・そんな気分にさせられた。

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上りつめると

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音楽♩

この音楽エリアの後に、写真には残ってないけど、かなりテクニカルな下りトレイルが長く長く長く長く続いた。

道がとにかく土で、石はなし。走って下れないくらいの急斜面と土のトレイルの戦いはとても難しかった。立っていることもできずズルズルズルズルと落ちてゆくような漢字。私は3回転倒、前後のランナーも転倒。みんなnext is your turnとかmy turnとか、転倒するたびに心配しあったりジョークいったりしながらなんとか雰囲気がシリアスにならないようにお互いに励まし合って進みましたとさ。ここはのちに友人とも話題になったコース、ほんとにあんなところどうやって降りるのか?素人にはむずかしいよね。たまにある気の枝または木の根っこに足を止めることはできるけど滑るしバランス取れないのよね・・・

そしてそれが終わると、

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その後はどんどんのどかになり馬地帯へ突入。馬が遠くにいる時はいいけど、トレイルの真横に馬が立っていたときはさすがにそーーーーっと刺激与えないように歩いた笑。ちかくてみると馬って怖い。

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馬の後はひたすら道。ここは平坦と上りのみ。道は砂利ではなく平坦な土の道なので歩きやすかった。いま思うとここがプレイベートエリアだったと思われる。このUTAのためにオーナーが解放してくれていたコースエリアなんだな。練習では通れないからこそ貴重な道。

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そしてやっと人工物がみえた。

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看板!初のGear check!

Thermal topとphoneのチェックでした。カバンから取り出しジップロックの袋にはいったままの状態でみせたけど、おっけーでした。

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そしてCP3に到着

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ここCP3では前日に預けたドロップバックが受け取れる。バックには着替えと食料を入れていたけど、思っていたよりも服は濡れていなかったので着替えはせず、食料も思っていたより減ってないので補充はせず、唯一ドロップバックから取り出して役に立ったのはスポドリの素とBCAAの粉だけ。来年はこれだけでいいかも?

エイドでは、フラスクに水分補充、フルーツ食べる(エイドの内容は前回とあまり変わりない)。ガーミン充電、夜間走行の準備。

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服装は朝のままでTシャツにアームカバーのままで走ることにしたけど、夜はこれにリュックの上から反射鏡のついたベスト(mandatory gear)を羽織るのがルール。だから早速羽織る。

あとは、スタート地点からずっと被っていたNIKEのキャップをここでドロップバックに脱ぎ捨てて、夜間用にサロモンのビニーをかぶり、頭にヘッドトーチを装着。念の為に寒さ対策としてウィンドウシェルをすぐに取り出せるところにいれておきました。

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UTAのフェイスブックでも色々ディスカッションがなされていましたが、そのうちの1つはトレッキングポール使用有無について。UTA経験者の推薦は「CP3のドロップバックにポールをいれて、CP3からポールを使用する」というもの。それはこのCP3以降にある6 foot track対策のためのポール。6 foot は4km?5km?のひたすら上りが続く、しかも標高400m近くを一気にあげる箇所なので、ここの区間のポールは必須だそうです。

自身は脚力ないのではじめっから通しでポール使用してましたが・・・笑。つわものがそう語り合うからにはかなりの難所が待っているのだろうと。。。見てみたい!その難所!

CP2- CP3 は、

区間距離 14.4km (14.33)

累計標高 +586m / -618m

ペース目標 14.3分/km (12.36)

CP3到着予定 17:53 (16:31)

カットオフ 19:14

()カッコ内はガーミンによる実測値

ガーミン測定によるとこのCP2-CP3区間が比較的アップダウン少なめだったみたい。CP3までは登り以外は走りました。あまり無理をせず、とにかく「区間ごとの目標ペースより早くなっていればおっけー」という感じでひたすら意識して過ごしました。ここCP3では予定通りきっちり30分休憩。夜間の準備入れても30分あるとゆっくりできました。到着時間の16時半ごろはまだ日も出ていて明るかった。

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憧れの6 foot tackを走る CP3-CP4区間

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*縦軸1目盛100m, 横軸1目盛1km

過去に何度6 foot trackを走る計画を建てただろうか、、、憧れのトレイルにまさかこんな形で挑戦することになるとは。しかも夜だからね、景色とか全然みえないからね。

そしてこのCP3-CP4の区間はフェイスブックでも話題に上がった区間なので心してかかる。もちろん話題に上がる理由は、有名トレイル 6foot trackが含まれているから。

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写真は友人からの提供なので明るいけど、私が50km通過した時は5時以降なので日暮れ前で少し暗くなり始めてました。

6footのスタートは写真のように道幅もあり安心なコース。始め3キロほど緩やかなコースだったので、明るいうちに距離を伸ばそうと思いひたすら走り続けました。暗くなり始めたときも、まだ道幅があったので走りやすかった。

その後は、

人生初のナイトラン

人生初のヘッドトーチ使用

もういろんなことが初めてすぎてパニック笑。

ランナーもかなりばらけていて、基本は1人。

平穏は本当に最初だけで、途中から本当に狭くて道もガタガタ草木も横からビヨーーンって襲ってくるし、足元は岩でごつごつな感じで「これが噂の6 footかぁ」と納得。

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そして途中からえげつないレベルの急斜面になる。道幅狭い、足元は岩、階段たまにあるけど階段になれてないような階段もどき・・・。板があるけど、階段のステップは付きで大きな穴になっている。雨降ったら確実に全ての階段が水たまりの階段になるようなイメージ。

本当に狭くかなり急な岩の斜面をひたすら暗闇の中一人で上り続けるのって、普通じゃないよね。自分のトーチのあかりと上りの先にたまに木の陰から見える大きな月のみ、「月明かりが綺麗だな」なんて余韻もなかった。つらかった。この斜面えげつない。時々後からがしがし登ってくるランナーがいて追い抜かれたこともある。それでも基本は1人。前にはランナーらしき明りは見えないので、時々気になって来た道を振り返るも後ろにもランナーは見えない。全然ライトの明かりがみえないんだ。

始めはナイトランって恐怖が勝るのかと思ってたけど、そうじゃなかった。6footとの戦いに夢中で疲弊していて、夜間の1人ランの恐怖はあまりにも少ない。

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この400mを3kmくらいで一気に上昇するって相当やばい。

それにね、あえていわせてもらうと、雨降ってないにも関わらず、湧き水で幅が狭いトレイルの真ん中に小さな川ができてて、それを避けるのにも神経つかう。靴が濡れないように濡れないように気をつけながら本当に本当に急な道を真っ暗ななかのぼる。まじつらかった。 これ一瞬でも雨が降ったら、一気に濁流になるよね。。。

そして途中、近くに川か滝がある音が聞こえる箇所があったけど、もうどこのことかは不明。おそらく明るければ景色がよかったと思われる。

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これは、やっと6footを終えて公道にでたあたりの写真。私がこの道を通ったときはもう夜で真っ暗だった。6footでエネルギー使いはたし、ここからCP4まで数キロなんだけどとても長く感じた。公道にでたのに街灯ほとんどないし、ヘッドトーチは付けっ放しで歩くから、街に戻ってきた感がひくい。もっと物悲しい感じの景色。

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19:40にCP4到着。

何度もいうけど写真のように明るい時間に到着できるのは20時間前後でゴールするランナーたちだけで、遅いランナーはここに到着するときはまちがいなく真っ暗です。

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CP4は一番広くて快適なCPだと聞いていた。噂通り、着替えるための部屋もあり、ベンチもあり快適。

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CPに預けてあるバックはこんな感じ

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ここでは、これからの本格的な夜に備えて着替えをした。CP4ドロップには、着替え、靴、カップうどん、食料、を入れておいた。

着替えは靴とボトム以外すべて交換

ベースレイヤー→TMFのベースレイヤー 100DRY TANK

tシャツとアームカバー→TNF L/S Hybrid Enduro Crew

靴下→INJINJIの5本指

下着→C3fit

ボトムスc3fitのタイツがかなりドライな状態で調子よかったので、ボトムスはそのまま。そして雨が降って靴が濡れた時は交換できるように靴も準備しておいたが、幸いにも雨は降らなかったので今回は靴は交換です引き続きホカオネのチャレンジャー3でいくことに。

そして熱湯をもらって赤いきつねをいただく。

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6footの後の出汁は格別!

ここで失敗したんだ。箸もフォークも入れ忘れたのだ。スタッフにお願いしてなんとか手に入ったのはプラスチックのナイフ。まさかのナイフでカップうどんです。

来年は忘れずに箸を入れておこう!←来年も出る気まんまんです

そもそもCP3にはヌードルがあるって噂だった。でもそんなものなかったよ。CP1, 2, 3との違いはCP4はスープ2種類、ホットドリンク(紅茶・コーヒー・ホットチョコ)、パンが増えてたな。

ここでやったことは、ガーミンをチャージ、足にクリームを塗り、今更遅いけど左足に3つ・右足に1つできた水ぶくれに靴づれテープをはり、そしてドロップバックから必殺レッドブルを取り出し、ランニングバックへ忍ばせた!

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レース前は最低でも48時間カフェインを抜くといいと言われたので、大好きなコーヒーを木曜から我慢していました。あとお茶もやめてた。すべては深夜眠気がきた時にレッドブル効果を最大限に引き伸ばすために!レッドブルはカフェイン100mgもあるんだぞ!

6footがあるCP3-4の区間の結果は、

区間距離 11.3km (11.66)

累計標高 +640m / -235m

ペース目標 16分/km (13.41)

CP4到着予定 21:23 (19:40)

カットオフ 22:34

()カッコ内はガーミンによる実測値

改めてみると、ここだけ下りが全然ない区間だったんだなと。

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休憩時間は55分。UTAの難関といわれる6footを含む区間なので極度の疲労に襲われ、そして初のナイトランでメンタルやられているだろうと想定していたので、ここCP4では1時間休憩するつもりだった。でも思った以上に回復も早かったので少し早いが55分でCP3をそそくさと出発した。しかしいざCP4を出発すると、夜の8:40ごろの外気はもうすっかり低くなっていた。汗で濡れていない服なのにこれじゃやばいので、急いで長袖の上にウィンドウシェルをきてリュックをせおい、マンダトリーの反射板ベストをリュックの上から羽織った。そしてこの後事件は起きた・・・。

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この話もう少し続きます。トレラン興味ない人はすっ飛ばしてください。

また!では。