シドニー生活

中年研究者のお話

シドニーでMASTER DEGREE!

My Graduation on 30 April 2018

何から書けばいいのかな。今日のこの数時間は間違いなく自分の人生の中で記憶に残る数時間後でした。自分がいつか死ぬ時が来たら、きっと思い出すことだろう。おめでたい日に死ぬとか口走ってしまったけど、やり遂げた感がある。

今日のスケジュール

9:30-10:00 Gown Collection

11:30-13:00 Graduation

14:30 Gown Returns

身支度の前に

今朝はかなり雲が多くてシドニー らしくないどんよりした空から始まる。曇り空の下、平日なのに週末と同じ長さを走った。時間にして1時間弱。シャワーから出ると......雨!!!!!なぜ今日に限って......でも自宅を出る頃には止みました!さすがシドニー !

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写真見ると空中が雲で覆われているのわかるかな?これ雨が終わった直後。

身仕度

Graduation Dress(ユニクロ500円)を着て、髪を少し巻いて、完成!やーシンプルね。Graduation Shoesは忘れずにカバンに入れて!→現場で履き替えます。私知ってます。ローカルの学生は大学へ着いてからハイヒールに履き替えていることを!

ドレスの値段は突っ込まれそうだから弁明が必要。前回帰国時に日本でユニクロワゴンセールでゲットした戦利品!本当は普段着用のワンピだったんだけど?友人の勧めでこれがまさかのGraduation Dressになった...もっと良い服あるんだけど、友人が「新品だしこれがいいんじゃない?」ってこと。まだ思い出も何もない服だからね。スタート切る瞬間はサラの方がいいのかな?だから500円ワンピは突然GraduationDressになりました。ですね。はい。Dress?とShoesで挑むぜよ!

朝食は気合いのある一品

9時頃に身仕度が完了。ふと思う。式の最中にお腹すくよね?がっつり何か食べないと!朝から味噌ラーメン(玉ねぎ・卵入り)作りました。

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アラフォー、まさかの10年以上ぶりの記念すべき卒業式の朝食にラ王のラーメンを選んでしまった。「王様の王」がついてるし、縁起が良さそうだなとか心の中で言い訳をしながら。なにせ時間がないし、がっつりですぐ作れるのはラーメンだけだから。

ちなみにこれは正解!夕方6時まで朝のラーメンだけで乗り切った。そして緊張感と興奮からかお腹も全然空かなかった。

Collection Gawn

これはOnlineで事前にhireする決まりになっていて、しかもお店も大学に1つだけ。シンプルで助かります。受け取りは結構並んでいる割にはすぐに手に入る。それでももし卒業式を予定している人がいたら、一番早い枠とった方がいいよ。バタバタしなくて済むからね。

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大きな鏡の前で4人のスタッフがどんどん着せていきます。Gown, Offical Trencher(帽子)のサイズを確認。Stoleも大切。二度も学位を確認されたからね。

1 x Gown - $22.38

1 x Hood/Stole - $22.38

1 x Official Trencher (to keep) - $22.38

Access Card Holder$67.15

これがearly bird & access card discout priceでございます。

トレンチャー(帽子)についてるタッセル(紐)は会場に入るときは右側に垂らして、式の始まる直前に指示があって左にしました。学位授与前が右、学位授与後は左に垂らすしきたりらしい。

トレンチャーは写真じゃわかりにくいけど前後があります。短い方が前で長い方が後ろ。逆に被っている人を会場で見たけど、すぐに気がつくと思うけどな...前後間違えるとタイムボカンシリーズのドロンジョ様みたいになるの!男子だとウルトラマンみたいになる。

ヤッターマン - Wikipedia

卒業式後に知ったけど、このトレンチャーだけ貰えました!

Reception

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この写真左に写っている女子と同じ色のガウンを来ました。アップにしたら彼女も素敵な靴を履いてますね。

受付はこの白いテントで、Photo付きのID確認が必要。意外と厳重。確認後は本日のプログラムとSeatCard(自分の席番号)を受け取る。プログラムの中には学位が授与される学生の名前の一覧が。私の名前も見つけた!

ちなみに卒業式に出られない人は今日の式後に学位が郵送されます。インターナショナルもちゃんと外国の住所に届くシステム。 

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裏表紙(OBからの言葉)

The hard work is over, but 

the fun is just beginning. 

 

Congratulations, you've finished your degree.

Now it's time to look towards the future and discover the possibilities that you wait. 

(中略)

The options are limitless, the choice is yours.

The choice is yours...重い言葉だよね。よく人が口にする言葉ってあるよね。恵まれてないとか、チャンスがないとか、お金がないとか、、、人より乗り越えなきゃいけないことが多かった私の人生でもこうしてここにいる訳です。The options are limitless, the choice is yours. まさにだよね。ないないなんて言ってるようじゃだめだ。同じ物をみてチャンスと受け止める人と、チャンスと思わない人の2タイプいるからね。

 

そうそう、事前に卒業式の参加を届け出る必要があるんだけど、私の友人は土曜(式の2日前)に大学へ連絡して欠席→参加に届け出変更したらしい。だから、諦めないで、できる限り直前まで参加出来る努力した方がいいかもね。

 

ちなみに2人までカンパニーが許されていて、その2人は会場の中に入れます。招待状がないと式に参列できません。パートナー、家族、友達がつきそうのが一般的みたい。写真見るとわかるけど皆家族といます。私はCompanyなしなので、写真を取ってくれる人も駆けつけてくれる人もいない!でもインターナショナルだしそれが惨めとも思ってないけどね。

式前

カンパニーなしだと何が辛いか、あー全身の写真取れない!唯一、今日式に参加予定の元クラスメイトのSちゃんが連絡をくれたので、Sちゃんに撮ってもらおうと思ってたのに、彼女は遅刻。と言うか、正確には式の開始が遅れたからギリギリ式に間に合うという奇跡!笑。

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この写真が私の憧れ。奥に赤く細いストールだけの人がいるでしょ?これがPhDの学生。おーPhD欲しいぜ!めちゃくちゃシンプルな赤のラインだけ。かっこいい。私のはパープルと赤で後ろもマントみたいになっています。PhDは細いストールを首に垂らすだけ!スッキリしてます。

このあと、式まで暇だったので大学の友人にメールしました。卒業式ということを伝えたら「なんで早く言わないんだ!少なくとも前日には言うべきだ!」と呆れてました。笑。ちなみに去年と今年はFacultyが違うので、私が言わないと研究室のみんな卒業式だと気がつきません。

PhDのSくんおめでとうを伝えに式前に遊びに来てくれて、私がカンパニーがいないことを知り、カメラマンを勝手出てくれました。よってレセプションへ行って、私がカンパニーの手続きをし、私のカンパニーとして式にも参加しました。

そうそう、カンパニーがいないデメリットは寂しいだけ?と思っていたけど、カンパニーの1番の役目は荷物持ち!会場には私たち学生は手ぶらで入ります。携帯はポケットに入れてたりするけど、手ぶらです。カバンを持っていると「カンパニーに預けて来い」って注意されます。いない人は仕方なく持ち込みます。2人見かけました。荷物持っている人。私もその類だったからS君に救われた。その理由は最初に座っている席と、学位授与後に戻って来て座る席は違うので、荷物は自分の席にキープできません。手ぶらで参加して、会場を出るときは、学位のみ手にします!

 

長くなってしまった。前説でこんなにも書きたいことだらけ。肝心な写真は友人のカメラの中で、まだデータ整理する気になれず。続編いつか書きます。

 

最後に、もう少しぼやきます。ぼやきたい。

一緒に卒業式に参加したSくんは喜んでました。式で祝辞を聞けてめちゃよかったって。「過去には目を決して向けるな。前だけをみろ。このステップは輝かしいけど前をみろ。」と。「これから先にはたくさんのドアがあって、その扉を全部開けるのかも自分次第。1つの扉でもいいし、好きなものを好きなだけ開けてもいい。扉の先に何があるかは開けてみないとわからないけど、開ける前にこれはいいですよ〜ってマークされている扉なんてなくて、開けてみないとわからない。だから気になったものにどんどん開けて見るといいよ」って話。あとは「絶対に人と比べるな」って言ってた。「能力も強みも人それぞれ違うから、比べたら何も始まらない」って話。こうして文にするとそのへんの啓発本に書いてあるようなことなんだけど、あの会場の雰囲気の中、世界の著名な人達がマントきて、杖とか持ってたり、なんかベレー帽三段重ねにして潰したような帽子とか、築100年以上の建造物の中とか、とにかくあの感じの中で言われると、啓発本より効果抜群。一瞬でマインドセットされるからね。しかも自分もマントみたいなガウンきてるし壇上の教授たちとは違ってシンプルだけど黒い四角いやつ被ってるし。タッセル(紐)はプラプラしてるしね、なんか共鳴してしまい、自分たちを誇りに思いそして自分達なら世を変えれるのでは世に貢献出来るのではないかと思えてくる。あの雰囲気はすごい。うんうん。この中から勲章でるやつがいてもおかしくないなと。

 

そうそう、名刺には3月からこの学位を載せているけど、公式には今日学位を授与されたからね。あー、これで本当の海外のMasterだ。嬉しい。

 

なんでもそうなのかもしれないけど、死ぬ気で去年頑張った成果がこのMaster Degreeだとして、それを誇らしく感じる自分がいて、達成感に満たされ余韻に浸りたい、そして帰宅する。でも、今帰宅して改めて見ると、所詮は紙切れ。質の良い、高級感漂う紙切れ。数百万貢いだ結果がこの紙切れ。私にだけ特別なもので、きっとこれが火事で燃えても悲しむのは私だけ。紙は紙でしかない。これが欲しいなと思って留学計画を初めてシドニーへ来るまでに数年かかった。それにしてはあっけない。この紙1枚で終了。あれだけ悩んだIELTSもApplicationも退職届も世間体も、たったこの紙切れに1枚に集約されてしまった。あんなにも時間を割いたのに、泣いたのに、不安で苦しんでもがいて、で、この紙切れで「はいご苦労様」とも取れる。祝辞で言ってた「前に進む」ってこのことだよね。「紙切れ1枚になったのでではみなさんまた新たに頑張りましょう」みたいなこと?笑 私の解釈は最終的にはこう「この学位にしがみつくな、どんどん進め」ってことかなと。学位にこだわることは、この少し質の良い紙切れ1枚に固執するのと同じ。でもその固執って学位とるまではすごく大切だと思う。取得後その学位にしがみついていることと、学位を活用して自分の人生を変えていくことは違うよね。学位をとるのは私の目標だったし今も目標なんだけど、一番のメリットはその課程で得られるネットワーク、知識、自己成長だと思う。知識と経験は財産だよね。「その学位とってどうするの?どうにかなるの?」何度となく聞かれたこと。今ならこう思う。学位の答えが学位を取る前にわかる人っていない。そこへ立って経験した人だけがわかることだから。しかもいざ取ったけど、学位の意味を言葉で伝えるのは難しい。だから言いたい。「学位の意味や価値は秘密です」と。笑。言ってやるぜ「秘密!」でもこれも言いたい。「答えがわからないことにはチャレンジしない人と、わからなくてもチャレンジする人の2種類のタイプの人がいるとして、私は後者なんだと」

長々とぼやいたけど、今日の学位授与式の光景と今日の感情は生涯忘れることはない。また明日から精進します!では。

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この紙切れ1枚に私の思いがたくさん詰まってます。