シドニー生活

中年研究者のお話

レビュアーになったど~!

これは、アラフォーがレビュアーになったお話です。

流れはこう↓

11月5日:査読依頼が届く

11月6日:査読依頼を受ける

AGREEDのボタンをポチっとしたときのドキドキは今までとは違うドキドキでした。

前回のお話はこちら↓

 

pskusg.hatenablog.com

 

 

無事に11月30日午後にコメントを提出

(^_^)/~ イェーイ

とうとう

レビュアーになりました!

(/ω\) 感無量......

学生のうちにこんな経験をさせていただくとは。ありがたやありがたや。

査読依頼をオッケーしてからの流れはこちら

↓↓↓

11月23日:提出期限延長のお願い

11月30日:コメント提出

12月1日:原稿の判定が出た~!

 

まず始めに言っておくことがある。

(*ノωノ) 実は期限延期のリクエストをかけたの(笑)

どうしても無理やった。

ジャーナルから

Please try your best to complete your review by 25-Nov-2020.

と言われていてね。

私なりにベストを尽くしたけど無理やった。。。

 

11月22日(日)に学会の口頭発表済ませた直後に査読業務開始!←学会発表直後、しかも日曜に査読業務って、立派すぎない?(笑)

 

ちなみに私は査読経験は0だけど書き方はわかる。だって、昨年いただいたP1のメジャーリビジョンのコメントのフレームワークをまねればよい(この時は3名のレビュアーのコメントをいただいたので、3名分のスタイルが確認できた)。

レビューの書き方は基本的に「①指摘箇所を原稿から抜きとる、②コメントを書く」この繰り返しになります。

今回①の作業が想像以上に面倒くさい感じ。面倒に感じる理由は2つ。

一つ目は、原稿のPDFに行番号が表記されていない。

私がP1を提出したジャーナルは、原稿のアブストからレファレンスまで全てのドキュメントに通しで行番号が記載されていた↓

f:id:pskusg:20201201121100p:plain

レビューアは指摘する際にこの行番号を使用し「line 7の○○について」と記載していた。行番号は重複していないので、これを書くことで指摘箇所が簡単に特定できる。

私がレビューしたジャーナルでは、この行番号の記載はない。だから自分で毎回行数を数えて、「page 1, line 12の○○」と書く必要がある。こんな行を数える作業に、自分の時間を使うのは個人的にはあまり好きじゃない。もちろん言うまでもないが、全てのコメントを完成させたあと、ページと行が間違ってないか最終確認をする必要があるので、そこでも時間を失うことになる。これは痛い。

二つ目、PDFの表記上の問題。

これはどのジャーナルでも起こる問題だと思う。

原稿はオンライン上でみることもできるし、PDFでみることもできる。

査読中の原稿なのでPDFの真ん中に「For Review Only」の文字が入る。だから適当にコピーしたい行をピーっとやると、もれなくこの「For Review Only」とその周りが反応してしまう。

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だから、指摘箇所を抜き取る時はカーソルを使用して丁寧選んでいく必要がある。前者の問題点とは違い、こちらのは仕方がないことだとわかっていても、やはり時間を奪われた感がある。

で、この指摘箇所を抜いてはコメントするという作業を日曜にやったら、なんとアブストとイントロだけで数時間かかった。コメントは最後にまとめて英語で書くつもりだったので、この時はコメントだけは日本語で書いていたにも関わらずこの時間。。。

(/・ω・)/期限延長の依頼決定!(笑)

ということで、11月23日に延長のリクエストメール!

I am writing this letter to request you to extend the deadline for submitting my review.

I will not be able to complete it by 25th November as a manuscript requires some more works.

I have completed the review halfway and expect to complete it by 30th November.

ということで、延長の理由は、

a manuscript requires some more works←指摘するべきところが多すぎなのは事実

I have completed the review halfway←半分も終わってなかったけど…(笑笑笑)

そしてリクエストの結果は↓

Thank you for the notification.

It is very much appreciated if you can provide your evaluation by 30th of November.

(*^_^*)

めでたしめでたし☆

 

その後は、1日2時間までと決めて、1日の業務の最後に査読を続けてきました。そして木曜になんとか日本語でコメントを書き終えた!この頃は「原稿をみたくない」という病に陥ってました。査読をして始めてわかったことは、査読って勉強にもなるけど、ストレスにもなる。このストレスたっぷりの私を救ったのは、翌朝の11月27日金の朝の雑談です。この時は、いま思い出してもスーパーバイザーと良いディスカッションができた~。

スーパーバイザーは私は提出期限を延期してもらってことに少し驚いた様子でした。おそらく私ならなんとかして期限に間に合わせるタイプだと思っていたからかな?

そして、あまりにも指摘箇所が多すぎて1つ1つ書いていたら膨大な量になったこと、もしかして自分の指摘は細かすぎる?意地悪なのか?と感じ始めてきて、それがストレスだと伝えると「意地悪ではないぞ」って言ってもらえてそれだけでホッとした。

私は、ざっくりと「ダメですよ~」といってはねるのではなく、細かく指摘してあげたかったので、かなりの時間を査読についやしてしまった。。。反省はしているが後悔はない。これが初めての査読だからちゃんとやりたかった。それに自身の経験から、自分がP1でもらったコメントを反映させた後は明らかにP1の質が上がっていたこともあり、丁寧に指摘することがオーサーのためだと信じているから・・・。

スーパーバイザーの質問にどんどん答えるたびに、私の指摘は正しいのかなと感覚的に思えたのですごく良いディスカッションになった。

最終的に、自身が日本語でピックアップした箇所全てを提出しませんでした。時間が限られていたのでさすがに全部は無理やった。例えば、テーブルに関する指摘もあったけれど、他の箇所で同じようなことを書いたし省略したりね。

とは言え、ワードで計5ページ分。。。

大作かも?(*´Д`)つかれた。

 

項目の詳細は書けないけど、レビュアーの画面は主に7つに分かれていた。

  • Publonsの希望確認
  • 内容に関する質問7項目
  • 原稿のプライオリティ10段階評価
  • 原稿構成に関する質問3項目
  • COI開示
  • Recommendation
  • エディターへのコメント欄
  • オーサーへのコメント欄

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Publonsとは、査読ヒストリーを管理するシステムみたいです。スーパーバイザーも登録しているか聞きたかったけど、月曜はスーパーバイザーは朝8時から4時までオスキーの試験官しててて忙しそうで聞けなかった。とりあえずYESにしてPublonsに登録してみました!

その後、原稿に関する評価をして、Recommendationへ進む。

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Recommendationはレビュアーの評価を書くところ。ただしレビュアーがリジェクトしても最終的に決めるのは全てエディターです。

ちなみに私はP1の時にMajor revisionをもらいました。周りの学生もMajor revisionかRejectをもらっている印象があります。Accept, Minor revisionは聞いたことがないです。以前、C先生の学生が超一流ジャーナルのMajor revisionをもらった時、ついでにC先生の意見を聞いてみました。「Major revisionをもらった後にリジェクトされる確率ってどれくらいあると思う?」って。C先生の回答は「自身の経験からMajor revisionされもらえれば、85%くらいの可能性でアクセプトさせることが出来る」と言ってました。それにしても「リジェクト」って文字は見ても聞いても本当に悲しい言葉。なるべくなら関わりたくない言葉。

最後にフリーテキストへコメントを書きます。見た限りではコメント欄の上限はなさそうでした。Confidential Comments to the Editor以外はマンダトリー項目です。一応、エディターへ78wordsの短いコメントを書いておきました。

そしてサブミットを押すと↓

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( `ー´)ノ 

ということで任務完了です!

(>_<)

それにして簡単な任務ではなかった。。。

 

自分の指摘が正しいかどうかを毎回調べながら進めていったので、確認作業は勉強になりました。その一方で読めば読むほど「なぜ?」って残念に思う気持ちにもなりました。

スーパーバイザーにも伝えたけど、研究の質が低い・ペーパーの質が低いのはラストオーサーの責任だと私は思います。勉強をしていないファーストオーサーも悪いかもしれないけど、全てはラストオーサーがちゃんと指導すればよいのです。もしかしたらそもそもラストオーサーの知識が不十分だった可能性もあるかもしれません。

 

そして、今日の午後にエディターからメールが来ました~!

私がコメントを提出した翌日に判定がでたの!←私のコメント待ちだったってことか?(笑)

 

メールはこんな感じ↓

Dear Reviewer,

Thank you for taking the time and making the effort to review the paper entitled "○○" for Journal of ○○.  A decision of 'Reject' has been rendered for the manuscript.

At the time a decision is made, as a courtesy, we like to share with you the comments of all reviewers that worked on this paper.  Below you will see your own comments on this work, as well as the comments of others who participated in the review process.

Your participation in the peer-review process is critical to the journal's success and directly impacts the quality of the journal we publish.  We appreciate your assistance with the evaluation of the manuscript and hope that we may contact you for assistance with future submissions falling within your areas of interest and expertise.

Sincerely,

なんと!他のレビュアーのコメントを共有してもらえました!これは今回の任務の中で一番嬉しかった!まさか共有してもらえるとは。

もう一人のレビュアーの指摘箇所は私より少なめだけど、同じ箇所を指摘している。最終評価も同じ。 

(^o^)安心た。博士持ってない私でもちゃんと世に貢献できたのか?もしれない。だてにセミナーでスピーカーに先生たちがヤンヤン言ってるのを2年半聞いてきたし、研究や論文のお作法は習ったわけではなくとも自然と見についてきてるか?も?

しかももう一人のレビュアーさん、私のより指摘がするどい!。私が指摘していない箇所もピンポイント書いてて、これがまためちゃくちゃ勉強になった。指摘内容みると知識量の差に愕然とした。。。

精進します m(_ _)m

 

最後に査読の数について。

以前(2年くらい前かな?)、スーパーバイザーにこんなことを聞きました。

「年に何本くらい査読してるの?」

スーパーバイザーは年に20~30本だといってました。スーパーバイザーのポリシーは「年間の論文数×3」だそうです。自分の論文の数の3倍を目差しているそうです。ただし、博論の査読依頼も年3回ほどいただくそうで、最近は一般的な論文の査読依頼は減らしているので20本もみていないそうです。博論と論文ではウェイト違うしね当然かなと。いまなら、スーパーバイザーのすごさがわかる。

今回の査読経験を通じて、また成長できたー!よし!何よりもここには書いてないけど、スーパーバイザーとのディスカッションの中身が良かったぁ。本当に良いアドバイスになったの。

 

では。