シドニー生活

シドニーで研究にトレランに奔走するお話

Ultra Trail Australia 2021 - 後半

Ultra Trail Australia 2021

いよいよ夜の部へ。20時間切りBronze buckleへの挑戦は続きます。

CP4 - Water point

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この区間は、私のUTA2019の記憶によると最も厳しい区間。UTA2021も同様に一番厳しい区間となりました。

地図を見る限りなんてことなさそうだけど、この区間はとにかく上り階段が永遠と続くのでメンタルも足もやられます。

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CP4を出発すると始めはふかふかのトレイル。草でふかふかだけど、草の下は凸凹しているので足をひねらないように注意。しかも時々沼があるので、私は最後は両足とも泥まみれになった(笑)。

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日が暮れてきたら事前に頭にセットしていたライトを点灯。階段地獄の始まりは夕焼けとともに。階段地獄では遅いところでキロ21分かかりました!

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(UTA2019の動画より)

この区間を走っているときは暗くて景色は見えない。日中なら絶景が広がります。

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(UTA2019の動画より)

ここもUTA名物だけど、暗いので何も見えません。

そして、階段地獄の戦いも終わりを迎えたころトラブル勃発。次のWPまで残り2キロ強のところでライトのバッテリーが切れました。

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マジでこのライト最低。

すぐに準備していた予備のバッテリーをズボンのポケットから取り出し右手に握りました。しかし寒さが怖くてバッテリー交換のために立ち止まることができません。というのもこの時、強風で気温も明らかに低く、直感で身の危険を感じました。バッテリー交換のために5分でも止まれば、一気に汗冷えし、二度と動けなくなると思ったのです。ここまでの強風と寒さは初めての経験でした。

この時、幸いにもシングルトラックを歩いており、前後にランナーが6人ぐらいいました。シングルトラックなのでぬかれることもなく、ランナーが一塊となり進んでいる状態。止まるのが怖い私は前後のランナーの明かりをたよりにライトなしでひたすら前方のランナーについていきました。ライトなしは転倒の危険もありますが、あの寒さでは動きを止めるほうが明らかに危険でした。

森を抜けるとしばらくロード。1~2キロあったかな?一気にランナーがばらけます。ここからWPまでは外灯を頼りに暗がりのロードを一生懸命ダッシュです。

ロードをライトなしで走ったことで、ようやく上空に満点の星空が広がっていることに気が付きました!写真に残せないのが残念!

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CP4-WPの目標ペース・キロ14分はなんとか死守。到着予定時刻より45分早い。冒頭でも書いたけど、この区間が一番厳しい区間でした。私の記憶は上り階段しかない。

私のガーミンによると、

CP4-WPの獲得標高

(+1011m, -1069m)

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WPはその名の通りお水のみ、温かいドリンクはありません。2年前はファイアーあったのに、今年はなかった。悲しい。

テーブルに荷物を置いてレインコートを装着し、レインのフードもかぶり、メイントーチはリュックに片付け、サブトーチ(あまり明るくないライト) を準備。でも、手がかじかんでいるのと、体の震えが止まらないのとで、ライトを頭に装着することすらできません。

(>_<)誰か助けて~

このWPでは敷地内にあるリゾート施設の一部が解放されていたので、建物の中のトイレに入り、蛇口からお湯が出るのを待ちました。でもお湯が出ない・・・。建物なので屋外よりは暖かいと感じけど、体の震えも手の震えも止まらないまま

この時、

(゜-゜)もう死んだ...

と思った(笑)

すると、女性がトイレから出てきて声をかけてくれた。

「何か手伝えることある?」

寒さと震えでプチパニックの私は

I am freezing...

(ノД`)・゜・。

と伝えた。

女性は思ったと思う「そんなの見ればわかるよ」と(笑)。

続いて、ライトを到着したいけれどできないことを伝えると、女性がライトを私の頭に装着してくれた。ベルトの長さも調整してくれた。

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ここからサブライトが私の相棒になった。ここではレインコートを防寒着として着用し、トーチを交換し、飲食は0。たったこれだけにWPでは15分休憩につかった。

WP-CP5 

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この区間は比較的簡単。後半4約キロはロードなので時間も稼げる。しかし、今年はコースは変更されていて区間後半になるロードは0(悲しい)。

WP後は下り階段が続き、その後は石のステップの連続です。ぴょんぴょん進みながら、観光地wentworth fallsを横切って、後はシングルトラックを少し登れば林道へ抜けます!

林道へでると満点の星空お出迎え☆。星が近くに感じます!走りながら時々空を見上げて進みます。

コースチェンジは後半4キロのロード。ロードから内側に2m入った場所にトレイルがあり、ロード沿いにトレイルを走らされました。

このトレイルはところどころ大きなクレーターがあり、クレーターを迂回するように走る必要があります。こうなるとなかなか思うようにスピードがでません。しかも足元は土だけ。土の道の凹凸が見えにくく、時々足をくじきそうになります。

で、私はここで軽いコースロストをしました(笑)。クレーターをよけるように走り、違う方へ・・・。後続のランナーが大声で「こっちだぞ~」と呼んでくれたのでセーフ。

感謝ですm(_ _)mペコリ

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WP-CP5の目標ペース・キロ14分を1分上回る記録。到着予定時刻より60分早い。

私のガーミンによると、

WP-CP5の獲得標高

(+518m, -607m)

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CP5に到着して3つ目のドロップバックを受け取ります。

テントの中に、ヒーターと椅子があり、至れり尽くせりの状況で私は再びプチパニックとなります。暖かい場所へ到着した喜び、自分を追い込みすぎてアドレナリンがダクダク、かつ寒さに対する恐怖で、頭が動きません。段取り良く準備ができず、大したことをしていないのにだらだらとここで25分も過ごした。。。

CP5のドロップバックから、帽子と手袋を取り出し、オレンジジュースをフラスクに移し、ライトのバッテリー交換をすませ、ポールを準備して、コーラとスープを飲んでから出発。

この時の服装は、

Tシャツ+アームカバー

ウィンドシェル

レインコート

フリーズ

ベスト

合計5枚。

既にヘッドバンドも手袋もしていましたが、この日は寒くなる予報が出ていたので、CP5のバックには2つ目の帽子と手袋をいれておいたのです。これが正解でした!ここから手袋は2枚重ねで先へ進むことができます。帽子はヘッドバンドとフリースのフードでも寒さに耐えられなくなった場合に備え、予備としてカバンにいれて出発。

CP5を出発した時点で貯金は29分まで減ってました。やばい。。。

CP5-EAP

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この区間のポイントは永遠と続く9キロの下り坂。林道なので道幅があり、階段は0。比較的安全なコース。

この区間の私の精神状況はあまりよくない。実は1つ前のCP5の休憩中、今回の計画表のミスを見つけてしまい、とても焦っていました。この区間目標をなぜかキロ10分で設定(笑)。180%無理!この致命的なミスにより、私はこれまで計画通り自分のプッシュしてきたけど、もうbronze buckleは無理だと悟ったのです。

とりあえず、ボロボロの足で急な下り坂を走りながら「この区間をキロ11分でもし走ることが出来たら道が開ける」と新たな目標を立てて下りをかけおりたのです。

前半に続く長い下りはポールを手に持った状態で走りひたすら急な下りを進み、川を渡るとそこが下り終わりの合図です。

川の後は、ポールを使います。⛰山を登ったり下りたりを3度ほど繰り返し(これがかなりきつい)、レース最後のCPであるEmergency aid stationに到着。

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CP5-EAPの目標ペース・キロ10分はもちろん無理だった。それでも新たな目標キロ11分に比較的近いキロ11分22秒で到着。

私のガーミンによると、

CP4-WPの獲得標高

(+514m, -953m)

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EAPは、温かい飲み物、軽食、ファイアーと椅子がお出迎え。ランナーにとっては夜のファイヤーほど嬉しいものはない。

スタッフに砂糖入りの温かいミルクティーをオーダーし、椅子に座りながらライトのバッテリー交換をしました(電池切れのトラウマ再び笑)。

バッテリー交換を済ませ、ミルクティーを待っている間、私は椅子に座りファイアーで暖を取りました。ここまでの91キロ、ひたすら自分を追い込んだし、妥協は0でした。全てを出し切った感。

この時、EAP到着は1:13AM

2年前、EAP到着は6:49AM

ですよ?

2年前はここでファイヤーの前に座り暖を取りながらモーニングコーヒー飲んでいた自分が、深夜にここへたどり着いた時点でこれはもうgreat jobでしかない。で、ここで私はbronze buckleを諦めました。EAPまでの長い下りで足が完全にやられてしまったこと(足ががくがくして自分を支えるのも厳しい状態)、この足で最終区間はキロ15分で走る必要がある、貯金たったの8分。どうみてもbronze buckle20時間ゴールは不可能です。

そして6 foot track marathonのエントリー条件である「UTA21時間以内でゴール」を次の目標としました。EAPでは15分ほど暖をとってから出発しても十分に達成可能な目標です。

ところが、ミルクティーを待っている間、後続のランナーがEAPへ次々と到着。しかしランナーら、お水も補給せず、食事もとらず、スピードも落とすことなくEAPを素通り。

(>_<)どーゆーこと?

あれ?

休憩を取る予定のランナーって0人?

え?

(>_<)なんで?

まじ?

誰も休まないの?

あれ?

あれ?

なんで?

そういわれてみると、

EAPで休憩しているランナーは私だけ(笑)。

寒さと疲労でまたプチパニックです。

ランナーが通り過ぎるたびに、もしかしてみんな20時間目指して先を急いでるの?もしかしてまだBronze buckle間に合うのか?諦めたは私だけ?ってなる。しまいには「休憩している私が間違っている」という結論に達しました(笑)。

ようやく受け取ったミルクティーを一気に飲み干しEAPを出発!

もう行くっきゃない~

ミルクティーのんでいる間も、数名のランナーがEAPを通り過ぎました。焦る焦る!最終的にEAPで見送ったランナーの人数は20名弱かな?でもね、改めて記録をみると、EAP滞在時間はたったの6分だよ!6分なのにとても長く感じました!

EAP-GOAL

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UTAの最終区間。この区間の山場は永遠と続く登り。特に最後のfuber stepsはUTAの名物です。

EAPで他のランナーのガッツをみた私は、ここから豹変。永遠と続く登り坂を駆け上がり、EAP以降はひたすらランナーを抜かし続けました。もう誰にもぬかれることはなくなった。

Leura forestの少し手前までは林道です。道幅があるので比較的安全で渋滞することもありません。ただ、永遠と続く上りに精神的身体的にダメージを受けます。

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(UTA2019の動画より)

Leura forestの少し手前からシングルトラックに入ります。一部は遊歩道として整備されているので「あ~人里へ帰ってきた」という感覚。人工物があると「もうゴールが近いのかな?」って思いがちですえが、実はここからが長い。同じような景色ばかりなので、同じところをぐるぐるしている気分になります。

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(写真はネットから)

そしてラスト1キロ地点fuber stepsの入口到着。

この時、入口で友人を発見!

「ブロンズ間に合うかもしれない。この階段を30分で登りきれば1~2分前にゴールできる。頑張ろう!」と声をかける。友人「もう時間ない~無理」と。確かに友人は私より40分早くスタートしているのでこの時はギリギリ時間切れだったのです。。。

切ない。

友人に道を譲ってもらいいざfuber stepsへ。

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(写真はネットから)

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(写真はネットから)

こんな感じの幅の狭い階段をひたすら上ります。100キロ近く走った足は力が入らないのでがくがくします。踏み外さないように丁寧に登り切ったところでゴール。

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20時間まで14分を残した状態でゴール!

fuber stepsのペースはキロ18:40、キロ22:35 でした。よくぞ上り切った~!

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ようやく20時間のブルーマウンテンの旅が終わりました。世界遺産を20時間かけて自分の足を使って旅ができたことに感謝。

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記録は

UTA2021

19時間46分43秒

(*^_^*)

 

UTA2019

25時間46分31秒

 

どうやらタイムを

5時間59分48秒

縮めたようです!

 

アラフォーで突然トレラン始めて、どうにかここまで成長できました!

生きていると、自分ではどうにもできないことってたくさんあるよね。でも、今回のレースを通して、自分で変えられるものもあるなって改めて思えました!

人間という生き物は自分次第でここまで変われますよ!

UTA2021でまたガッツを磨きました。

さてと、ガッツに定評がある私、この先どうなるのでしょうか(笑)。ここまで磨き上げたガッツをこの先どこで使えばいいのでしょうか(笑)。

 

 

あっ!

最後にご報告があります。

UTA2021

日本人総合4位

日本人女子1位

でした。

(*ノωノ)

恥ずかしっ・・・

はい、

こんな私が、

日本女子チャンピオン!

です(笑)。

ちなみに日本人男子1位は私の友人(笑)。

今年はコロナの影響で海外からランナーが参加できなかったため、リストを見る限り日本人はたったの10名しか参加していません。来年は日本から多くのランナーさんが参加できるといいなぁと願うばかりです!!

もし来年もコロナが続くようなら、

日本人女子チャンピオンとして

連覇を目指します!(笑)

チャンピオンの座を死守したい(/ω\)できるかなぁ?

では。