シドニー生活

中年研究者のお話

Impact factorが突然上昇

※追記しました~(7/17:10時)

 

お久しぶり(*^_^*)P2の話。

4月末提出予定だったけど、いまだサブミットしてない。え!もう7月なのね!(笑)。

 

先週ようやく共同研究者1名からコメントの一部が届き、残りのコメントは7月14日(水)の夜中に届きました!

(*ノωノ)これで全てのコメントが届いたわけだ。やったね。

7月15日(木)に1日かけて原稿を修正。指摘箇所は、リザルトとディスカッションに集中。あとは専門用語に関する文言の変更をしたりと、大きなことではないが細かな修正がちょこちょこ。7月16日(金)も色々と読み返してP2のことやってたら日が暮れた。

前にも書いたけど、ほぼほぼ仕上がってからの微調整に時間がけっこうかかる。もうちょいなので頑張ります。

 

突然ですが、最近超絶ビビった出来事を書きます。

P2の

第一希望のジャーナルの

Impact factorが

突然上昇しました!

私の記憶では先月までIF4.9だった。

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4.910.668

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それにしても上がりすぎ。

例えば、日本の老年医学会の国際誌GGIのサイトにはこう書いてあった。

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GGIは2019年2.0から2020年2.7へ増加してます。私の記憶が確かなら、友人がGGIに論文を投稿した2018年はIF2.7だったと思う。日本の老年医学会のHPのおかげで、最新のIFは先月末(30 July, 2021)にアナウンスされたことがわかった~。ありがとうございます。

少ない経験を基に考えても、今回のIFの上がり方は異常よ!異常!おそらく、誰かの論文が爆発したのだと思う。世の中には千、万と引用される化け物のような論文があるのだ。

で、もう少しだけ希望ジャーナルのサイトを調べてみた。

We are proud to announce that the 2020 Journal Impact Factor™* for --- has risen to 10.668, ranking the journal #3 in the subject category for ---. Our new CiteScore** is 9.6, placing us in the 97th percentile for ---.

To celebrate this achievement, we have put together a free collection of influential articles from recent years: catch up with the top articles from the 2020 Impact Factor, and discover the most cited articles from 2020.

Our top article from the latest Impact Factor aims to help clinicians diagnose and manage sarcopenia, and has received more than 1,700 citations so far, with more than 900 in 2020 only. 

サイトにはIFアップに貢献してくれた論文を紹介していて、へぇ〜って眺めていたら、

CONTRIBUTING TO THE 2020 IMPACT FACTORに日本人の名前が!

IFを4.9➡︎10.7に貢献してくれたトップ5の論文の中に日本人がいるってすごくないですか?めちゃ嬉しかった。しかもシステマティックレビューメタアナリシスで、トピックは死亡率を予測としてのフレイルインデックスなの。カッコイイ泣。

そしてこれ私にはホットなトピックだったりする。いままさにオーストラリアではフレイルインデックス作った人とDBIを作った人と、わすれちゃったけどもう1つ何かの指標とそれを作った人が、オーストラリアのe-healthを巻き込んで大規模なRCTを実施するところなです。友人はこのプロジェクト解析屋として働いています。もしかしたらすでに知ってる論文かもしれないけれど、その友人に連絡したら「リンク送って〜」ってことだったので今朝送りました。はぁ。はぁ。世の中にはすごい人がいるんだね。

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私もいつか・・・

なんてね(笑)。

 

(ここからが追記👇)

CONTRIBUTING TO THE 2020 IMPACT FACTOR

の5本をざっくり紹介すると、

1位:Sarcopenia: revised European consensus on definition and diagnosis (2019)

(Scopus 1913, Google Scholar 3010)

 

2位:Projections of multi-morbidity in the older population in England to 2035: estimates from the Population Ageing and Care Simulation (PACSim) model (2018)

(Scopus 137, Google Scholar251)

 

3位:Frailty index as a predictor of mortality: a systematic review and meta-analysis (2018)

(Scopus 121, Google Scholar 190)

 

4位:Social isolation and loneliness as risk factors for the progression of frailty: the English Longitudinal Study of Ageing (2018)

(Scopus 103, Google Scholar 189)

 

5位:What is Comprehensive Geriatric Assessment (CGA)? An umbrella review (2018)

(Scopus 103, Google Scholar 156)

 

これみた私の感想👇

①1位の論文の化け物感すごいな。

1位の論文だけ2019年、2〜5位は2018年のものです。1位はたったの1年で引用数1913!!2~5位は2年で引用数103~137!!

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なんか1位のせいで2~5位のインパクトが減ってしまってるのがくやしい。

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引用数100ごえって相当すごいんです!とまじで言いたい。

研究の道に入ってわかったことは、世の中にはごまんと論文があって、その多くがハゲタカまたははげたかもどきの質の低いジャーナルにながれている可能性がある。一握りの論文は権威あるジャーナルに掲載されるけど、その多くは1年で引用数0、がんばっても一桁なんてのはざら。掲載から数年たってもよくて二桁。だからこの2~5位のたった2年で引用数100ごえってマンモス級にすごいと私は思うのです。

 

②1位の論文のずるいな。

1位の論文は「高齢者のサルコペニア(高齢者の筋力低下など)に関するヨーロッパのワーキングループが、ヨーロッパのサルコペニアの診断や定義を改定した」って話。

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こんな論文、ヨーロッパ中の人が引用しまくるにきまってる!

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ヨーロッパだけではなく世界中に医療関係者が引用するにきまっとる!!これをずるいと言わずして何をずるいと言うといった感じ。これは化け物になって騒然なわけですよ!

③ScopusとGoogleScholarの引用数のずれがすごいな。

スーパーバイザーと話の中で私が引用数を口にするとき必ず「どこの数字だ」と確認されます。入学当初はその意味がわからなかったけれど、途中から質問の意図が理解できるようになった。それはGoogle Scholarの方がカウントする論文の幅が広いので(クライテリアが優しい)、引用回数が多めに表示されるのだ。優しいGoogle Scholarとは違い、Scopusは論文を絞っているので引用回数は少なめに表示される。どちらのデータベースが正しいかという問題ではなく、これはクライテリアが異なるので比べることができない。ただ、私の所属する大学では、大学スタッフのAPRおよび昇級に関してはスコーパスを導入している。今回は割愛するけど、スコーパスとグーグルスカラーで引用回数に差があるということは、H-indexも差があるということになる。

さて、引用回数の差はいかほどか?

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今まで1位になったモンスター論文をみると

Scopus 1913, Google Scholar 3010
(>_<)やばい1000も差がある。

すごくない?画面見ながらひとりで興奮してしまった。

 

 

ということで、今回のデータを見てはじめてデータもとをはっきりさせることの重要性が理解できた気がします。これからは「citationやH-indexはデータベースごとに異なることを理解した上でこの会話していますよ」って相手に伝えるためにも「○○のcitation」「○○のH-index」とソースをはっきりさせて会話するようにしたいです!

 

ちなみに今回ご紹介した第一希望のジャーナルの採択率は

たったの11%

この11%ってのはジャーナルのサイトに書いてありました。リジェクトはすぐに連絡くるって書いてあるからほっとしてます。だめならだめでさっさと次に投稿したいしね。

Our acceptance rate overall is about 11% and many papers are rejected on the basis of this in-house assessment alone. If this is the decision it will be communicated quickly. Papers that are to be considered for publication are usually sent for peer review by at least two reviewers. This process is anonymised. You will be told which Associate Editor has handled the peer review of your paper.

この採択率11%についてだけど、以前スーパーバイザーへ伝えた時、スーパーバイザーはこう言い放った。

Better than 10

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どうしたものか。。。

そんな ジョークを言えるほど心の余裕を私は持ち合わせていない。残念すぎる。このジョークは面白かったのでパクろうと思います!次回誰かに使ってやる。

 

P2完成しないうちに、希望ジャーナルのIFに動きがあったというお話でした。

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昔偉い人が言ってた「戦って死ね」って。 

IFが10だろが関係ない。サブミットはタダだから~

では。