シドニー生活

中年研究者のお話

P2の旅-5 第2希望ジャーナルのお打ち合わせ、週末のシドニー

土曜、自宅でランチ食べてたらヘリが自宅付近にいてうるさいのなんの!

(゜-゜)嫌な予感…。そういえばまだこの日の会見みてないないこと気がづき件数を確認したら

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642件から825件へ

記録大幅更新!

700をこえていきなり800突入です。なぜロックダウン2ヶ月やっても未だに増え続けるのでしょうか!

続いてヘリコプターの件、ABCnewsみたらメルボルンのデモがやってた。

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非常に悲しい。なんてことを、、、

シドニーの二の舞にならなければいいのだけど、、、

シドニーの悲劇↓

pskusg.hatenablog.com

結局この時、ABCnewsにはシドニーのデモについて載ってなかった。そして少ししたらヘリもどこかへ消えた。

次にABCnews見たときはデモの記事があって、、、やっぱりな。。。って感じ。

www.abc.net.au

この時、ABCnewsに貼られていたのは、@abcnews journalistのJoshさんのTwitterだけ。。。情報少なくない??

そしたら私と同じことを思っている人がいて(笑)

↓↓↓

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その気持ちわかる~(笑)

その後も800件台が3日続いて今に至る。

ここまでが、日曜に書いたけどアップしていなかったブログ。

 

さて、ここから8月23日月曜の話。

17時半、今日は日課のジョギングをやめました。

少し休憩をはさんで一気に仕上げて、18時半スーパーバイザーへメールしてこの日の業務は終了。

ようやくP2サブミットの準備が整いました☆

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結局、アブストも原稿も完成していても、第2希望ジャーナルの規定に沿って原稿を修正することに2.5日かかった。もちろんこの間、他のこともやっていたので費やした時間はもう少し少ないけれど、自分が考えていた時間よりはるかに長いのだ。ショック。

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なぜそんなにもかかったのか、原因を書きだすと時間がかかるから、今日のところはノータッチにしておきます。

 

さて、サブミットの前にスーパーバイザーに確認することが2点ある。本日11時からミーティングでこれについてディスカッションすることになっている。

  • レビュアー候補
  • 運用試験ににおわせの件

 

【レビュアー候補】

これはステップ5の話。これ、初めて論文を投稿したときに驚いた項目の1つです!

オーサーはサブミットの時に、レビューしてほしい人、レビューしてほしくない人、を書くことができます。この候補者リストをスーパーバイザーに確認してもらう必要があるのです。

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この項目は、ジャーナルによってバラバラです。

・ジャーナルA(P1が掲載):レビュアー候補/非候補がいる場合のみ記載

→もちろん私は候補者なんてリストできないのでスーパーバイザーへ確認し4名記載しました(候補者としてアメリカ1、ベルギー1、日本2の計4名)。私の記憶では「Aはアメリカのジャーナルなのでアメリカ人を入れる」「P1の内容が日本の新しいポリシーに関連しているので日本人を入れる」と言ってました。ベルギーは謎(笑)。

 

・ジャーナルB(P2がリジェクト):レビュアー候補/非候補がいる場合のみ記載

→スーパーバイザーへ確認しイギリス2名を記載。「Bはイギリスのジャーナルなのでイギリス人を入れる」と言ってました。

 

・ジャーナルC(今回のジャーナルです):レビュアー候補を必ず記載、非候補者はいる場合のみ記載

→AとBのリストから私が勝手にアメリカ2、イギリス1を選びました。これを今日のミーティングで話し合うわけですよ。何を言われるのかな?少し楽しみ。

 

ところで、この候補をリストするシステム、なんかバイアス生みそうじゃないですか?(笑)。気になったのでスーパーバイザーに以前確認したところ、

  • レビューアの選定は全てエディターに決定権がある
  • レビュアー候補が実際にレビュアーになることはまずない
  • エディターのレビュアー探しの仕事を助ける目的というより、エディターが間違ったレビュアー(著者らの対立している人)を選定しないためのシステム

だそうです(笑)。

A,B,Cはダブルブラインドを採用しているので、レビュアーとオーサーはお互いに誰なのかを知りません。つまり、エディターのみが私が書いたリストを参考にしたかどうか知りえるわけで、全てがブラックボックス・・・ってことですよね?論文投稿においてエディターがいかにパワーを持っているかわかります。

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あっ、話はそれますが、トップジャーナルの中でもごく一部はトリプルブラインド(エディター、レビュアー、著者間の情報は非公表)を採用しています。これは良いシステムですよね。エディターのバイアス出来る限り省き査読がなされるわけですから。

  • Double blind peer review: Both the reviewer and the author are anonymous to each other.
  • Triple blind peer review: The handling editor, reviewer and author are anonymous to each other.

先の話ですが、P3の第一希望のジャーナルはトリプルブラインドを採用しています。採択率も低いし、いくらエディターまで回ってもそこからの道のりが長そうなのが想像つく・・・。こわい。

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話はそれてしまいましたが、今日のミーティングはレビュアー候補の確認が一つ目です。これは簡単なこと。

 

【運用試験ににおわせの件】

ミーティングのお題2つ目は、原稿の修正に関することです。こっちが本題。やはり私は、P2に運用試験におわせを入れ込んだ方が良いと思うのです。そのお伺いをたてました。

運用試験におわせの件はこちら

pskusg.hatenablog.com

Cに向けて投稿準備を進める中でやったことは、Bの時と同じ。CにDelphi methodを用いた研究がどれだけ掲載されているかをまず確認しました。

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私と似た研究はたった2本だけだったのです!これでは前回の二の舞になるかも・・・

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権威あるジャーナルにとってDelphiはプライオリティ低いんです。

実際に掲載されている論文を確認したところに運用試験におわせ作戦を採用していました。

  • 論文1:本文のコンクル―ジョンに「運用試験の計画」を入れている
  • 論文2:アブストと本文のコンクル―ジョンに「現在運用試験中であること」を入れ込んでいる

これをみてわかる通り、Delphi methodだけではインパクトが低い研究とみなされる可能性が大きいのでは?と思うわけですよ。

ツール開発はレビューやエキスパートパネルを用いて誰でも可能なので、ここで止まっている研究は世にたくさんあるのだから、そこから一歩先の運用試験へ進んでいることをアピールするかしないかでP2の価値が変わる気がします。

ということで、スーパーバイザーへこの2本の論文を送りました。もちろん運用試験におわせ箇所にマーカーを付けてね。

私としては、例え本文に運用試験におわせを入れないとしても、せめてエディターへこの研究は次へ進んだこと(運用試験を終えたこと)を伝えるべきだと思うのです。

原稿に修正を入れない場合、エディターへ伝えるチャンスは2つ考えられます。

  • cover letter
  • title pageの'Impact Statement'

カバーレターの中に、運用試験は終えていることが記載できます。でもここに書くと、エディターが一番最初に目を通す資料なので「だったら運用試験の論文を投稿してくれよ」ってことでP2を読む気が失せてしまう可能性がある。だから、タイトルページのImpact Statementで、運用試験終了について触れたほうが良いのではってのが私の意見。

Cでは、Impact Statementの記載が必須です。これはAとBになかった項目で、この研究がどれだけ価値があるものなのかを、可能であれば他の研究を引用し自身の研究価値をアピールしなければいけないのです。Impact Statementの内容は、査読のプロセスのみで使用され、原稿には掲載されない決まりです。つまり「原稿には載せたくないけど実は…」みたいなことが書けるのでは?ってのが私の解釈です。これを11時からディスカッションします。

どうなることやら。

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経験豊富だけどコンサバティブなスーパーバイザーから、今日も何か学べそうな予感です!

では。