シドニー生活

中年研究者のお話

他人の研究の話

先週の火曜、Lちゃんが登校した。

今週の月火曜、Lちゃんが登校した。

ここ数ヶ月、「研究論文サブミット秒読み」と言い続け、ようやく本当の秒読みに入ったもよう。しかし、水曜の現在、いまだにサブミットできいない。

 

今日はそんなLちゃんの論文のことをかく。

昨年末、突然、Lちゃんは突然研究論文を1本書くことになった。大学の会議でたまたま隣の席に座った医学部准教授Sさん(統計家)とスーパーバイザーが意気投合し、二人は共同研究をすることに決めた(←スーパーバイザーのこういうところは尊敬する)

方法は、その准教授Sさんが持っているデータベース(GPの処方箋130万枚分のデータ13年分だったかな?)を用いて、後ろ向きに精神病薬のXXについて分析するというもの。

すごいのは、Sさんは口約束では終わらなかったところ。すぐに研究のためにミーティングを設定、データ解析、解析結果をLちゃんとスーパーバイザーへ送信した。

ミーティングから解析結果送信までものの1か月(笑)。

スーパーバイザーとLちゃんは仕事をゆっくりやるタイプなので焦ったことは言うまでもない(笑)。

 

そして、解析結果を受け取って最初のミーティングでSさんは言った

「来月に論文だせそうだね」

って(笑)。

Sさんから言わせれば、メソッドを決めて統計解析まで行うのが一番難しく時間がかかるパート。そこがすべて自分がやったのだから、ただ論文を執筆するだけなら1か月あれば十分だろうと(笑)。

 

納得!ぐうのねもでない(笑)。

私はその話をLちゃんから聞いてSさんの行動力と能力に尊敬の念をおぼえた。やっぱり統計家というのもは一つ一つをきちっと順序だててやる習慣があるから、やるべきことをやることができるのかなと。仕事が早いからと言って、統計解析が簡単だったとは思えない。

 

それに比べ、Lちゃんとスーパーバイザーは数字が苦手(数字アレルギーがあるレベル)。

基本的には期限を守らない。仕事はすべて自分の時間軸で進めるタイプ。

ただ超絶に穏やかな性格の持ち主☆。

 

そんな研究、突然わいてでて文章を書くだけの状態になってから7か月以上経過して今にいたる。

共同研究者のSさんの話は最近は話題にでない。

解析おわっていてもさすがに1か月で研究論文を書き上げるのは難しいと思う。だけどコンセプトも解析も何もしていないのに執筆だけで7か月以上かかるのもどうかと思う。Sさんに同情してしまう。。。

私の想像だけど、Sさんとスーパーバイザーの共同研究はこれが最初で最後になるだろう。Sさんだって暇じゃないのに1か月で解析したのは、やっぱりスーパーバイザーと共同研究できることがうれしかったのだと私は思うのです(共同研究者を探すのは大変なので)。だけど口だけで仕事をしないスーパーバイザーとSさんのようにちゃんと仕事ができるタイプの人が合うわけもなく。だから2度目は引き受けないだろうなと推測しております。こうして去っていく(まともな)研究者をたびたび私は目撃している。

。。

 

そんなLちゃんと研究論文の戦いに終わりがみえてきた。「研究論文サブミット秒読み」と数か月言い続けていたけど(←わたしもよくやる出す出す詐欺)、投稿先のジャーナルのアカウントをようようやく今週月曜に作成した。

経験者ならわかると思うけれど、いくら論文原稿をファイナライズさせたとて、やることは他にもいっぱいある。

  • ジャーナルのアカウント作成
  • カバーレター作成
  • タイトルページ作成
  • レビュアー候補の選定

Lちゃんはアカウントを作成するとすぐにサブミットできないことに気が付いた(←そりゃそうだ笑)。共同研究者の情報登録が必要で関係者へ連絡して返事まちとなったのだ。この時にLちゃんに論文のサブミットに関していくつか質問を受けた。カバーレターや原稿の提出方法など。

例えば「原稿とカバーレターはまとめて1つのワードファイルにするのか?」、これはジャーナルにより異なるので私が回答できるものではない。カバーレターと原稿を1つにまとめる可能性だってあるし、カバーレターは別ファイルでアップロードすることもある、カバーレターはアカウント内にコピーペーストで張り付ける場合もある。

ローカルの学生に頼られるのはうれしいけれど、LちゃんのやめにもLちゃんが今後自分で検索し物事を進める能力も必要だと思ったので、一緒になってauthors guideを調べるのではなく私がどのようにして研究論文投稿の準備をしているか説明した。

 

アカウントを作成し、アカウント内のすべての画面をまずはチェック。全入力画面を確認するおとで入力項目詳細やアップロード方法などが把握でき(レビュアー候補者が何名必要かなど)。そのご、共同研究者から必要情報を集め、登録をする。

Lちゃんにスマート!って言われたけど、私はスマートではない。一人で頑張って試行錯誤しているだけだ。

 

このブログの落ちは、もちろんスーパーバイザーです。

Lちゃんの論文投稿はスーパーバイザーのメールまちで3日経過。

(笑)

 

Lちゃんはレビュアー候補に関するメールを月曜にスーパーバイザーへ送った。残念なことに、スーパーバイザーは月曜火曜はキャンベラ出張。火曜の夕方の時点でLちゃんはスーパーバイザーから返信をもらっていない。

レビュアー候補の入力以外はすべてできた状態。寸前のところで論文をサブミットできないままメルボルンへ帰宅。。。

 

超絶に優しい私は今日廊下で偶然スーパーバイザーと出会ったので、スーパーバイザーを追い込んでやった。雑談の流れで、

「Lちゃんが月曜火曜に登校してたよ。Lちゃん元気そうだった。サブミットの準備はすべて整ったみたい。スーパーバイザーからレビュアー候補のリストが送られてくるのをすごく楽しみにしてるっていってたよ。」

ってね。

スーパーバイザーはLちゃんが登校したことをしらなかったようで驚いていたし、「Lちゃんがレビュアー候補のリストを楽しみにしている」と聞いて苦笑いしてた。「2日前のメールだから忘れていた」といってたけど、そんなのなんの言い訳にもならんよね(←スーパーバイザーに厳しい私)。

もうね、スーパーバイザーに裏切られる気持ち、これは学生にしかわからない。1日でも早くLちゃんがサブミットできることを祈ってます!PhD生活はいろんな意味で波乱万丈ですね!ネタがつきないわ!

 

では。