シドニー生活

中年研究者のお話

博士論文提出の話

博論の再提出についてまとめてみる。

(-ω-)/

えいえいおー

 

 

博論提出1回目

まずは第一回目の提出のおさらい。

2022年1月24日に博論を提出。3月31日に結果を受け取る。

Congratulations, I am pleased to advise that you have been recommended for the award of the degree of DEGREE of Philosophy, subject to corrections to your thesis.

結果は合格。

ただし条件があって、レビュアーのコメントに対する返事をかいて大学のinternal reviewでオッケーが出たら博士確定という意味。期限は 3ヶ月。

pskusg.hatenablog.com

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博論提出2回目

3月31日レターを受け取ってから約3か月後の2022年6月29日、博論を再提出。

翌朝6月30日に受領の連絡。

Hi ○○
Your final documents have now been received, thankyou. We have forwarded these on to the READ for final approval and will let you know if anything further is required.
Once all is approved we will forward on your award letter.
Kind Regards

周りの情報だと、internal reviewは1週間で終わるらしい。来週あたりcompletion letter がくると思う。

 

博論2回目提出方法

博論提出1回目と2回目では提出方法が違いました。

1回目はクラウドへ博論をアップロードし、担当者へsupervisor statement(クラウドのリンク含)をメール。クラウドのアップロードはおそらくレビュアーへ送るために必要だったと思われる。

2回目はクラウドへ博論をアップロードする必要はなく、担当者へ5つの資料をメール。クラウドを使用しなかったのはinternal reviewだったからと思われる。

添付資料は5つ:

  • Corrections Response
  • Revised thesis
  • Support letter
  • Final lodgement of thesis form
  • Title and abstract

1つ目のレスポンスレターは、2種類のテンプレがあるので好きなほうを選ぶ。

2つ目のリバイスした博論はPDFで提出。トラッキングをつけたWordファイルの提出の必要はありませんでした。でももし追加で提出を求められてもすぐに対応できるように、トラッキング付きのワードファイルは手元に持っています(←無駄に用心深い笑)。

3つ目はスーパーバイザーの承認。最初はワードドキュメントとかでもらうのかなと思っていたら、スーパーバイザーからメールで届いたので、そのメールをPDFにして提出しました(もしかしたらフォーマットが違うからという理由で直筆のサインが入りのレターの再提出を求められる可能性もあります)。

サポートレターはこんな感じ↓

タイトル

Emendations to thesis based on examiner feedback - PhD thesis - Ms ○○(フルネーム)

本文

29/6/22

To whom it may concern,

This letter is to confirm that I have carefully reviewed the feedback from the two examiners of Ms(フルネーム)’s doctoral thesis.

I can confirm that Ms (苗字) has addressed each of the points raised by the examiners and that I agree with the responses made by (苗字).

I offer my congratulations to Ms (苗字) on the completion of this important research and wish her all the very best for her future endeavours.

Kind rgds,

 

4つ目のFinal lodgement of thesis formはrequired for submission of your thesis to the libraryとなってる。内容をみたら博論掲載に関する同意書。

例えば、博論の中にパブリケーションが含まれる場合は、それを事前に知らせる必要があります。パブリケーションの多くはクローズドジャーナルに掲載されている場合が多いので、博論をオープンアクセスにすると間接的にクローズドジャーナルに掲載されている論文をオープンアクセスしてしまうため、著作権などの関係で閲覧時に宣言を入れたりする必要があるみたいです。

正直なところ、同意書を読んでも私のようにパブリケーション含む博論は結局オープンアクセスにできるのかどうかがわかりませんでした。とりあえず「博論にパブリケーションが含まれる」「オープンアクセス化」の2つにサインを入れておきました。

最後のTitle and abstractは博論をオンラインライブラリーへ掲載する際に使用するやつ。

 

 

レスポンスレターの内容

レビュアー2の評価はThe student be awarded the degree without further conditions。No correctionなので一発オッケー!!

これは相当うれしかった!

(/ω\)泣ける・・・

ただ疑問がある。一体どれくらいの学生がNo correction の評価を受け取るのか。

私の経験ではInternal reviewになった人の話は聞いたことがあるけど、No correctionの話はあまり聞いたことがない。というかそもそも博論のコメントの内容の話題はでない。博論を提出したかどうか、学位がもらえるかどうかしか話題にはならないのです。私はどうせならってNo correction目指したいなって思っていたのだけど、周りはそんなこと目指してなさそうなんだ。まぁいいのだけど。とりあえずスーパーバイザーはNo correctionについては驚いていたから、私がNo correction獲得したのが予想外だったのかなと。

 

レビュアー1の評価はThe student be awarded the degree subject to corrections of the thesis to the satisfaction of the University。これがinternal reviewにつながりました。

レビュアー1のコメント数、

なんと26

ぎょぎょぎょ

(/・ω・)/

 

幸いにもその大半は解決可能な内容でした。26個中、23個はすでに博論内で述べている内容だったから。

だから、

As described in Chapter 5 (page 79, line 26), XXXX

博論に書いたとおりXXXXです

と具体的に場所を指定して一言説明文をいれただけで終了。

 

そして3コメントに対しては博論に変更を加えることにしました。

I thank the examiner for this comment. I have added the following text to directly address this comment.

下記の3文を適切な場所へ追加。

  • potentially
  • if INR is too high
  • if there was a need to assess measurement properties

上記の3つは見てわかる通り、文脈を補足するようなものばかりです。正直、これが抜けていてもその前後の文脈から推測することが可能な内容でした。だけどこんなことくらいでレビュアーに反論するのもなぁ、と思ったし、むしろ付け足したほうが丁寧だなと納得できたので追加しまいた!

 

実は、前述の3つに加えて、あと一文追加した笑。これ↓

  • The implementation of XXXX beyond the research conducted in this study would require significant policy and practice change and a sizeable investment in resources (e.g., financial, hardware, software), given that multiple stakeholder groups and patients would be involved.

4つ目はスーパーバイザーのすすめで追加した文章。

レビュアーのコメントの内容はすでに博論に書かれている内容だったので、場所を指定し説明文を加えるだけでよかったのだけど、スーパーバイザーが私が書いたその説明文を添削したら想像以上に文章が気に入ったご様子で(←スーパーバイザーの渾身の文章ってこと笑)、ただそれだけの理由で博論のどこかに追加したらどうかとすすめられた↓

(-ω-)/

おっけ~

スーパーバイザーが言うならばということで追加することにしたけど(←優しい私)、その文章と全く同じ内容がすでに博論に書かれているので(笑)、もちろんその場所には挿入できるわけもなく。逆に入れる場所を見つけるのが大変で時間がかかったという(笑)。これもまた良き思い出(笑)。

 

レビュアー1から今回良い質問をもらいました。正直このコメントをもらうまでは考えたこともない内容だったのでレビュアー1に非常に感謝しています!

そのコメントはP 3(パブリッシュ前の原稿)に関するもの。P3はobservational studyとしているのですが、レビュアー曰くP3はinterventionではないかと。

するどい~

(/・ω・)/

解答としては両方とも正解!

The study conducted in this research was as an observational study. A specific direct intervention was not included for the targeted populations. However in-direct system-level support through the web application was available at the level of XXXX for study participants.

どこのレベルで見ているかによって変わります。医療従事者のレベルでみるとobservationalと言えるし、システムレベルでみたらこれは間違いなくintervention。

もしP3の未来のレビュアーがこれを指摘したら、私はobservational からinterventionへ変更します(笑)。それくらい指摘がするどい!

(/ω\)感謝。

 

まとめると、Corrections Responseは博論に4文を追加、本文の削除や修正はゼロ。ボリュームにしてワードファイルで計8ページ。

 

レスポンスレターを書き上げた感想、

あと少し!

って気持ちです。

目標のNo correction 叶わなかった。半分は達成できたけど。。。

レビュアー1の26コメントは蓋を開けるとほぼノーコレクション!あと一息なんだな。この達成しきれないあたりが私らしいなぁ、と思ってます。最後の最後まで充実した博士課程でした。

 

そうそう、これだけは書いておきたい。

今回、レビュアー1のコメントをみて、長~い博論をレビュアーするという事の難しさを垣間見た気がします。論文と異なり博論は長いのでいちいち振り返って『これどこかにかいてあったかな?』なんて読み返したり、少し先に書いてあったとしてもよくわからないのかなって。ボリュームがあるから、その場その場で思ったことをコメントにおとして読み進めていくしかないのかなって。実際に、レビュアー1がくれたコメント23個(26個中)は記載済みだったから難を逃れたけれど、書くべきことがもし書かれていない場合は修正が必要だった。つまりレビュアー1の言っていることは正しいし、ただ勘違いして指摘しただけでどれも的を得たものばかり。

最後の最後まで勉強になります。

 

 

それにしても惜しかった!

さて、

穏やかな気持ちで

Completion letter を待ちましょう!

 

では。