シドニー生活

中年研究者のお話

光がみえた

イースターホリデーあけ2日目。

 

気分はあまりよくない。気が進まないがとりあえず大学へ。

お弁当はそぼろご飯だけ。

冷凍の玄米を解凍してお皿へ移したら、そぼろ・ごま・塩・とお皿の中で混ぜ合わせたら終了。あとはお皿にラップをして器を手で持ったまま登校。

お弁当箱に入れない

お弁当袋にいれない

このスタイルを続けて早4年。

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写真の撮影場所、大学の美術館の横にある道。ここはマイナーであまり人が通らないのでお気に入り。大好きな小道を抜けると卒業式で浮かれている人たちが!

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いいねー、実にいいね。エネルギーを感じる!

 

9時にオフィスへ到着。いつもより全然遅い到着だけどここは焦らずにルーティンワークを。まずはパソコン立ち上げてネスプレッソマシンのお掃除をしていると、出勤してきたスーパーバイザーに廊下で遭遇。10分後に打ち合わせへ。私の悩みの種はこの打ち合わせ・・・気分が重い。

 

スーパーバイザーが「天気が良いから外でミーティングをしよう」というので、カフェでコーヒーを注文しテラス席にすわる。この日のスーパーバイザーは手にノートとペンをもっている。うんうん、スーパーバイザーのやる気を感じる。スタートは悪くない。

 

いつもなら雑談好きなスーパーバイザーに合わせ30分程度は雑談に付き合うのだけど、今回は私からばっさりと5分で雑談を切らせてもらった。

そしてスーパーバイザーに単刀直入に話を振って、そこから1時間、私はひたすらスーパーバイザーのプロジェクト概要を聞くことになった。どうやら今回のお願いはプロジェクトの概要を知らずして前に進めないらしい。

私はこのスーパーバイザーの一大プロジェクトについて話を聞く機会は過去にあったけれど詳細を知らない。正確に言うと、詳細を知らないのではなく理解できないのです(笑)。

理解できない大きな理由は、Stepped wedgeとよばれる手法が原因。Stepped wedgeはRCTの手法の一種なのだけど、これがちょっと特殊なデザイン。あとは、研究目的は理解できるけど、介入方法とその介入の効果を評価するためのプライマリーアウトカムの関係がよくわからない。

 

このプロジェクトの予算なんと2.43M(約2億3000万円)!だからへんてこなプロジェクトではないはずなんだけど、私がおバカすぎて理解が追い付いてないだけなのかなと。

 

話を戻して、この1時間でようやくプロジェクト全体像はみえてきた。この全体像を知ったうえでスーパーバイザーが私にしか依頼できないなと思ったお仕事の内容は、

「データコレクションの準備」

「ウェブサイトの開設」

研究者としてではなくアシスタント業務。

データコレクションで使用するREDCapの使用経験がない(私の博士研究では、スーパーバイザーのサーベイモンキーのアカウントを使用した)ことをスーパーバイザーは知っているのに、REDCapの準備をしてほしいと。

なんならウェブサイト作ったことあるなんて1ミリもスーパーバイザーの前で口にしたことないのに、ウェブサイト作ってほしいと。

私のスーパーバイザーってすごくないですか?

まぁ、電話で言われた際に私も私で「REDCap使ったことないけど、使えると思うよ」と回答したし、ウェブサイトに関しても「ウェブサイトは作れる」と回答。実際にプライベートでウェブサイトの勉強したりしてたのでね。まさかこんな早くこの知識を活用できる日がくるとは。

でねこの無茶ぶりな仕事の一番ひどいところは納期なの。

データコレクション開始は9月

データコレクションの期間は2年

あと数か月で仕上げないといけない。しかも一度スタートしたら2年続く・・・。

もうね、こんなの数か月でできる?って話。

私、24時間あるけど、このプロジェクトに24時間割けないもの・・・。ってか、心の中で思ったよね。私のP1のアブストを5か月放置してたくせに、自分のことになると「1日でも早く仕上げてくれ」って、それはないでしょ(笑)。

とにかくスーパーバイザー目の前にして思うことは

やっば!

ってことだけ。

このプロジェクト始まってから1年経過したのになんで何も準備できていないの?この状況に疑問しかわかない。マネージメント苦手なのにもほどがある。

しかも悲しいのが2.43Mもの研究費をお国から勝ち取ったのに

「データコレクションの準備」

「ウェブサイトの開設」

に関する予算は0(笑)。

2.43Mのうち2Mが人件費(Research maneger 1, Regearch assistant 8)に消えたらしい。この数字から見てもわかる通り、オーストラリアの人件費ってお高いのよ!

 

でね、どうやって私を雇うのか確認したところ

「すでに獲得済みの研究助成金とは別口でパートタイムのお給料を準備するよう努力する」

と言ってた。

全然言っていることの意味がわかない。

まさかの未確定?

ひどくない?

ただなんとなくこの流れだと、私のお給料の出どころはFacultyから算出されそう。今回のケースはちょっと特殊みたい。この話は改めて契約後にかける範囲でブログに書きたいなと思う!

 

さてと、今日のミーティングは、私がニュープランを提案したところでいったん終了。

研究の全体像がみえたところで私が思うのは、ウェブサイトではなくウェブアプリケーションが必要だと思う(私はウェブアプリ開発経験はないのだけど・・・)。データコレクションで使用予定のREDCapはそのまま使用すればよいと思う。ただし、REDCapのデータをウェブアプリと連動させない限り、この巨大な前向き研究のマネージメントはほぼ不可能だと思う。だって2年かけて約2000名の患者をリクルート&フォローアップをマニュアルで別々にマネージメントするなんて現実的に不可能だと思いませんか?。しかもこれを4地域で実施するというね。

運用の詳細も考えずに夢だけ語って大風呂敷を広げただけって感じ!(←上から目線で偉そうに語る私)。で、ウェブアプリケーションを提案した私も、アプリ開発の経験ないのに大風呂敷を広げてもうたわけ(笑)。師匠が師匠なら弟子も弟子ですね。

 

あー、疲れた。

あー

あー

疲れた!

だけどわくわくする。こんな仕事はなかなかない。なぜ私のスキルセットが必要なのも納得できた。少し気分がよくなった。

 

こんなとき疲れた心を癒してくれるのはこの青空。午後にキャンパスを散歩すると卒業式の群衆が!密だね!平和だね!

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そのままLちゃんの誕生日プレゼントを買いにお茶屋さんへ。

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いまラマダンなので、Lちゃんは日中の飲食はしないのでお誕生日ケーキはなし。代わりにLちゃんが好きなチャイを購入。ラマダン終わったら1か月遅れでサプライズのケーキを準備しようかなと思ってます。楽しいことを考えていないと、気がおかしくなりそうです。

 

とりあえず、まとめると、今日は不安が一つきえた。そして光がみえた気がした。

スーパーバイザー先週木曜にふっかけてきた話は、いつもの適当な感じとは違ってて、本気で私を雇うつもりで話を持ち掛けたことがわかった。求められる仕事内容に対して自分の能力が追い付いていないのだけど、直観的にこれはチャンスだと思う。不安を言い始めるときりがないので、今日から気分を切り替えてエンジン全開でいくしかないかなと。

シドニーに爪痕を残すぜ。

それがいまの目標。では。