シドニー生活

中年研究者のお話

博士ポスドクに検索してみた

前回、日本の研究職検索サイトに掲載されていたポスドクセミナーに参加しました。

その時の記事はこれ👇

pskusg.hatenablog.com

 

今回はセミナーではなく、検索サイト(JREC-IN Portal)の感想です。

サイトは使いやすかった。特に検索フィルターを用いて研究分野ごとに細かく指定できる点が良いとかんじました。

今回、JREC-IN Portalを見て驚いたことがあります。それは「給料を明記しない」という点です。多くの案件が年俸制(本学の規程による)」「当会規定による」と明記するのみで詳細がありません。業界の人に聞けば、給料を予測することは可能だと思うのでそんなに大騒ぎすることではないと思いますが、ただただ違和感がありました。一部の案件は「規定により○○円」とはっきり書いているので、規定に沿っているだけならみな普通に金額を公表すればいいのでは?と思います。

 

(ここからは私の博士課程の経験からお話します。私の解釈が間違っている点もあると思うのでへぇ~って感じで流して読んでください。)

オーストラリアでの人材募集は場合は、基本的には基礎系・臨床系問わず給料を明記しています。福利厚生を明記する点は日本もオーストラリアも同じ。

例えば、日本にいる人でも簡単にアクセスできるSEEKを例にして説明しますね。この中から適当にリサーチフェローを1つピックアップしてみると、

Postdoctoral Research Fellow - Health economics Job in Sydney - SEEK

給料と年金👇

Base Salary $78,143 - $110,856 (pro rata) + 17% superannuation, range dependent on qualifications and experience

ランク👇

The opportunity is for either a Research Associate (level A) or a Research Fellow (level B) depending on qualifications and experience.

と書かれています。

私の周りに関して言うと、ローカルや永住権取得を視野にいれているPhD留学生はsuperannuationの高さを重視する傾向があります。実際に大学の講師に大学に所属する理由を聞いたら「医療従事者として働くとsuperannuationが低い。大学勤務はsuperannuationが高いから。」といってます。

日本と大きく異なる点は「ランク」。大学、研究所、その他関連機関に勤務する者はランク分けされおり、ランクに応じて給料が決まります。ランクを上げるチャンスは年に1回、昇進できるだけの業績がたまれば自ら業績昇給審査に申し込みます。

例えば私の所属する大学の場合、6名のアカデミア(全分野ミックス)と外部の非専門家1名の計7名で構成した委員会で、昇級を申し出た者の審査行います。透明性を保つため、審査委員は「共同研究経験がある」又は「一緒に業務をしたことがある」スタッフの審査は行えないのがルール。審査員Aは知り合いのスタッフBを評価するときだけ委員から外れ、審査員Aの代理で審査員CがスタッフBを評価します。つまり審査員はメイン6名、COIの関係で審査員が抜ける場合に対応する委員も複数スタンバイ。審査方法は事前に提出している書類(業績)を基に委員による多数決。このネタ書き始めたらきりがないのでこの辺で終了。

 

こんな感じで、日本の大学と私の所属するオーストラリアの大学では人事評価システムが全く異なります。だから研究者募集の表記も違って当然かなと思ったりしてます。お国が異なれば、文化も違いますね!

では。