シドニー生活

中年研究者のお話

シドニーで卒業式 その2

ブログが遅れたけど、卒業式の続きを書きます。

 

卒業式朝8時半、大学の売店へ(式の1時間前)。売店がガウンと着せ替え場です。受付で名前の確認をすませ列に並ぶ。

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ここに来る前は気分がのらず卒業式を面倒だとすら思っていた私。いざ列に並ぶとテンションが上がり始めた。

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次が私の番。

ここで私はあることに気付いた。周りの学生が着ているHOODって私が4年前に着たものと同じRoyal Purple!素敵☆

 

会場入り

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わおー!

早い者勝ちに負け、偶然ここの枠へあてがわれた私。どうやら行きついた先は「前スクールの卒業式」。すごい偶然。4年前に参加した卒業式に再び参加することになった(笑)。

 

彼らと同じ学位を4年前にとった私、なんだか他人事とは思えない状況。

どうやら私の博士はRoyal purpleで始まりRoyal purpleに見守られながら終わる運命だったようです。

これ4年前のRoyal purple写真↓

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私の席はSEAT14、前から2列目。

1-2列目はPhDオンリーでドキドキした。年齢層は比較的高めでベテランのおばちゃんが多い(私より明らかに年上にみえる女性が多い)。

 

PhDの同期は1人もいない孤独な学位授与式の始まりです。

 

お偉いさん&大学スタッフが音楽とともに入場、壇上の席に着席。

 

あれっ!?

嘘でしょ!?

Dr Kerry Chant!!!!!

Dr Kerry Chantいるやんね!!!!!

さすがXXスクール、とんでもないゲストを招いてるやん。あまりの衝撃にしばらくMCの言葉が全然耳に入らない、Dr Kerry Chantにくぎ付けの私。

(オレンジのジャケットを着ているのがDr Chant)

 

少しして同じ会場の招待席に座っていた友人からテキスト届いた。

(>_<)壇上にDr Kerry Chantいるの気づいてる!?

(*ノωノ)こちとら15秒で気づいたっちゅうの!2列目に座ってるからDr Kerry Chantが丸見えや!

どうやら私の勘違いではない、彼女は本物。こんなビックなかなかお目にかかれないよ。彼女はパブリックヘルスのトップだから。

彼女の日々の決断がNSWの死者を最小限に食い止めることができたと私は思っている。厳しい施策をとり、そして毎朝記者会見をうけるってすごいこと。ここだけの話、毎朝の記者会見みてテレビの前で何度か涙ぐんだことあります。

我々業界関係者だけでなくNSW在住の人にとってはDr Kerry Chant芸能人ばりの知名度があると私は勝手に思っている笑。みんなもそう思うよね?知らんけど笑。

 

話を戻して、

開会のあいさつの後は授与式が始まった。

ここでとんでもない事実。学位を手渡してくれる人はどこぞのDeanでも来賓でもない

Mark Scott!!!!

おぉおおおおおおお!!!!

Dr Kerry Chantの次はMark Scott!!!!

この卒業式は一体どうなっているのでしょうか。

芸能人だらけ。

 

Mark Scottは大学のトップ。

役職はVice-Chancellorで直訳すると副学長だけどAcademicに関する決断を実際にするのはVice-Chancellorの役目なので彼は大学のトップなのです。しかも比較的最近就任したと記憶している←調べろよ!笑。

 

日本の場合では大きな会場で大規模に卒業式を行うことができるから学長が卒業式に参加するのは一般的です。でもここでは違う。と言うのも、1850年代に建てられてた歴史的建造物で卒業式を行うため、会場は狭い。総合大学で学生も多いことから、私の大学では卒業式シーズンがくると、1回1時間の卒業式を1日3回以上行いそれが4日間続きます。だから全部の式に学長が参加し学生一人一人に学位を手渡すことっておこりえないのです。だからMark Scottみて大興奮、これはレアな卒業式って解釈になります。

 

話をもどして、

授与式はPhD→Master (course work)の順。

PhDは一人一人「学位名・名前・博士論文のタイトル」が読み上げられ、一人一人壇上に上がり学長から学位を授与され記念写真を撮って席へと戻ります。ちなみにMaster courseworkの場合は、名前だけ呼ばれ次々と壇上に上がる(人数が多いので学位名まで読み上げてもらえない)。

記念写真はワンちゃん。いい笑顔でおさまっていたので一安心。だってこのStage Photographyサービスって有料。

お値段なんと

世のなか

このサービスは3プランあって、写真のみ、写真とe-copy、写真と豪華フレームとe-copy。私は一番安い写真だけプラン35ドルを選択。と言うのも、4年前から大幅な値上げが行われていたの。ざっくりの記憶だと、写真原本とe-copy付きで80ドル、フレーム付きは200ドルだった気がする(ようはかなり高かった)。

 

学位を受け取り自分の席に戻ったあとは、Royal purpleを身にまとった学生らの授与式をぼーっと眺めていた。するとGarminがブルブル♪。

なんと↓↓↓

ストレスレベルが高いってお知らせきた。

人前に立つのが苦手なので名前呼ばれて壇上に上がり極度の緊張状態だった?自覚はないけどかなり心拍高かったようです笑。

 

さて祝辞はDr Chantから。

良いお言葉をいただいたというよりコロナに関する話が多かった。

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彼女が招待された理由はなんとなくわかる。

NSWのパブリックヘルスセクターで働く人の8割がXXスクール卒業生といわれている。Dr Chantも祝辞で言っていたけど、現在のパブリックヘルスセクターのインターンの半分はうちのXXスクールの学生らしい。でもこれはPRを持ってない留学生には関係のない話(だってVISAないから応募できない)。

 

さて式が終わりホールを退場。

外にはガウンを着たスーパーバイザーが待ち構えていた!(この人は教え子の卒業式に参列できなかった)

 

スーパーバイザーの第一声はもちろん

「Congulatulaitons!!」

第2声「Dr Kerry Chantがいただろ」

第3声「Mark Scottから学位授与もらったか?」

第4声「お前の卒業式はプレミアム。昨日の卒業式に参加しなくて正解だ。」

第5声「Dr Kerry Chantがこの辺りに少しはいるはずだ。写真を撮りに行こう。」

(/ω\)でたでた。

写真は私のためではなく、Dr Chantと写真撮りたいのはあなたよね?

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残念ながら、友人らと中庭をキョロキョロとしたけどDr Chantは見つけられなかった。残念。

 

ちなみに第4声「お前の卒業式はプレミアム。昨日の卒業式に参加しなくて正解だ。」に対して私は「昨日の授与は誰が担当したの?」と尋ねたところ苦い顔して

「Old ladyだ」

え?

失礼すぎない?爆笑

old ladyだとしてもただのold ladyではないと思うよ。とりあえず、スーパーバイザーが言う通り、はMark ScottとDr Kerry Chantによりプレミアな式になったのは間違いない。

 

式の後は記念撮影

庭ではドリンクやフードが配られていたので、ケーキ・キッシュ・スパークリングワインを軽くつまむ。

さんざん記念撮影した後、

11時半から学内のレストランでランチ。

ランチの後にガウンを返却(返却時間は15時だけど余裕で間に合いました)

 

オフィスで仕事をしているマネージャーへ差し入れを。

↓↓

無料のキッシュやケーキをマネージャー用に確保しておいたのです(せこいのか優しいのか紙一重)。トレンチャーをトレイの代わり使ってたらボスは笑ってました笑。だってトレンチャーはトレンチャーだもの。差し入れの方が大事よ!

ちなみに頭にかぶるトレンチャーだけは買い取りなので誰にも迷惑はかけてない。

 

その後は、スーパーバイザーの差し入れの日本酒を大学のCommon roomでいただく(スーパーバイザーは会議があるのでいったん抜けた)

スーパーバイザーの会議後は、スーパーバイザーのオフィスへ移動しスモールパーティー開催。マネージャーも参加してくれて4名でワイワイ♪食べすぎ飲み過ぎの1日でした。

 

 

卒業式を境に私の気持ちは落ち着きました。

博論を提出してからというもの、PHDを終えた喜びや感動があまりにも小さかったのです。周りのお祝いムードとの自分の気持ちのギャップにも違和感を感じてやや悩んでいた。でもこの日、ハイテンションでみんなと思いっきり自分の学位を祝うことができた。ようやく自分の中でPHDに一区切りつけることができた感じで心はすっきり!

博論提出してバタバタとしてたら社会人になってしまったので、きっと自分の中で学生と社会人の区切りがうまくできてなかったのかな?なんて今になって思う。

 

人生ってわからないもので、研究の道から足を洗おうかななんてうっすら思っていたのだけど(この世界にひどくがっかりしていたので・・・)、だけど運よく?縁あって?必要とされたのでもうしばらくのこの世界にいることになった。選んでもらったからには、がんばる、それしかいまは言えない。

 

では。