シドニー生活

中年研究者のお話

今年1番緊張した日

今年も始まって1ヶ月と10日。今日が今年一番苦しかった。先週金曜にお国からの依頼をうけて金曜9:00-10:30にミーティングをしました。

そう

いまさっき終わった

色々な意味で終わった(笑)

明らかに質問の意図とは違う回答を2回したと思う(笑)。

なぜわかるかって?「こいつには通じてないな」って表情で話を他に振っていたから(笑)。

なるべく口角あげてニコニコして過ごしていたけど、脳は確実にウニ。もうガチガチです。1日分のエナジーをこの90分に消費した私はいまブログを書いている(←働けよ!)。

 

今回は私の研究について聞きたいのでシドニーチームはボスと私の2名。相手は3人参加、全員女性。みんな強そうだった、いや強かった!

 

オーストラリアのアカデミア・公的な組織に勤務者のあるあるで、半分以上が女性なのだ。医療系でいうと、お役所仕事ほど女性が仕切っている傾向にある(個人的な意見)。

今日のミーティングは5人中4人が女性。次のdepartment of healthのプロジェクトも7人中(アカデミア4人・RA3人)、6人が女性。先日打ち合わせしたビックデータの構築チームも5人中3名が女性。

そう、半分以上ではなく過半数が女性の世界で私は暮らしているのです。

 

地位を獲得している女性集団の中に身を置くとただただ足元がすくむ。年齢中堅の私も英語だと歯が立たない。ふんぞり返る系・オラオラ系が特に苦手な私にとって毎回負け戦なのです。しかも年々相手がパワーアップしているのだ。

 

オフレコなので内容は書けないけど、彼らのHPによると、今回のミーティングはNational consultationにあたります。国が新しい方針を作るにあたり、専門家を集めてワーキンググループを作り重要項目を決めていく。ある程度固まってきたら専門家を探して、決まった方針を実施するための協力者を探したり、実施に必要なことをリスト化したり、そこでボスと私へ意見を求めてきたわけですよ。

おわってわかったことは、

身分不相応の依頼

でした。

2回死んでも足りないくらい辛かった(←これしか書けない笑)

 

 

そもそも今日は厄日だった。

①会議10分前にトイレに行ったら、カードをデスクに忘れビルから締め出された(9時前はセキュリティがかかってる)。慌ててアドミンをノックして事情を話して扉を開けてもらって事なきをえた。

②料金未払いにつき携帯が止められた。締め出されたときにボスへテキスト送ろうとしたら送信できなくて気づいた。銀行カードの期限が先月に切れ、現在は新しいカードが届くのをまっている状況。カード情報をRENEWできてないから携帯はとめられて当然だよね。

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③ボスがログインできなくて会議に遅れてきた。開始10分、私が1人で場をつないでいたけど「これはやばい」と思いボスのオフィスまでヘルプに向かった。当たり前だけ無事にWEBEXのログインに成功。だけど相手を10分待たせるという失態を犯した。「WEBEXを使うのが初めて」なんて言い訳してたけどそれはありえない。使ったことなくて不安なら10分前からログインしておけばいいのだ。私だってWEBEXはこれが使うの初めてだったかWEBEXについて会議前に調べたもの!

 

 

だけどね今日は良いこともあった。私は良い決断をしたと思う。

 

ミーティング5分前にボスのオフィスへ行き「会議の冒頭で私はプレゼンをしない」と伝えました。昨夜寝る前に私の独断で決めたのです。

その代わり、相手に求められたらその都度スライドをシェアして小さなプレゼンはすることにした。私としてはやっぱり相手が聞きたいことがあって連絡したきたので、お願いされてもいない情報をプレゼンをするのは変。相手のやりたいことだけに時間を使いたいと思うのです。だってミーティング時間90分に設定してるんだよ?普通は30分か60分だと思う。よっぽどだと思うの。

もちろん彼らの前でプレゼンするのが怖くて逃げた気持ちも半分あるよ!笑

具体的に私が準備したのは、研究に関連する全てのパブリケーション、ウェブアプリ、そしてパワポの詰め合わせパック(今でのプレゼンの内容を全て集めてみた)。

 

これが正解だった。

自己紹介のあと彼らがすぐにプレゼンをしたいと言ってきた。組織構成、フォーカスポイント(対象患者のクライテリア)、ワーキンググループ活動の進捗、のプレゼン。プレゼンには私が話そうとした内容が含まれていて「あー正解!」って思えたのです。

 

私はプレゼンをするにあたり、彼らの計画と進捗をウェブで事前に確認済み。ワーキンググループのメンバーリストも見ている。

つまり私のプレゼンする予定の内容はすでに彼らも知っている可能性が高かったのだ。この読みがあたった。自分でもファインプレーだと思う。

 

ということで、事前準備にバタついたり、ストレスで吐きそうになったり、本当に色々あったけど、なんとかやり切った。次があるかは不明。

正直、連絡がないことを祈っている。

器が小さいと思われても仕方がないけど、私の脳みそが「大きすぎて関わりたくない」と言っている。それくらい身分不相応な仕事だと感じている。これが日本語ならどれだけウェルカムなことか。でもここはオーストラリア。30代から突貫工事で身に着けた英語ではもうどうにもできないそんなステージに自分が上がってきてしまったのだ(これは何かの手違いでしょ?)。研究者しているので専門家を語るのと、あの場で専門家を名乗るのは別次元な気がするのです。今日のステージ未満のステージが私に適している。そもそも、完全ローカル環境(移民外国人0人の環境)で仕事をしているだけでも十分よくやっていると思う。私は生涯パフォーマー(労働者)として地味に生きていきます!

では。