シドニー生活

中年研究者のお話

Pと打合せ

今日11時のミーティング、お題は知らされていなかったので、私が書いているレビューのプロトコルをミーティングの2時間前にみんなへ送った。

 

ミーティング5分前に連絡があり、zoomから対面へ変更となった。私はPと対面ミーティングはこれが初めて。ガッチガッチに緊張。

いざミーティングが始まると、終始穏やかな雰囲気、まさにfeel safeって感じ。これは意外だったな。穏やかなミーティングとなったのはタイミングが良かったからかもしれない。Pにとって今日が2023年の仕事始めでこれが一発目のお仕事。だからPが急遽コーヒーを買いにお出かけしたりしてPのコーヒー待ちもあったりと和気あいあいな感じで過ごせたのだ笑。

ミーティングはスムーズそのもの。決めることをどんどん決めて時間内で終わる。時には雑談もいれつつ、アドミン業務を確認しつつ、私にも分かりやすく説明してくれるのだ。どんどん話を進めていく姿をみて「さすがスクールのNo.2だ」と尊敬のまなざしを向ける私。そしてPの横に座っている私のボス、、、ボスってとても良い人だけどリーダーとして一体・・・泣。

 

ミーティングが始まってわかったことは、いまのプロジェクトは私が書いているプロトコル書き以前の段階。政府から大学へお金が届き、各研究者用のアカウントが作成され、いまは最後のプロセス(お金が4口座へ分配されるのを待っている)にいるそうです。手続きながっ!それが理由でプロジェクトが開始できない。

ちなみにシドニーでは助成金の35%を大学が持っていきます。35%は施設利用料・事務手数料という名目。我々は約1億円研究助成をうけたのだけど、大学に約3500万円取られるのだ。やばい(笑)。どこをどうみてもぼったくりにしか思えないのだけど、スタッフ曰く「オーストラリアには37%もってく大学だってある」と言っており、35%はまだましだという認識(←すごくポジティブな解釈だね)。私としては我々の研究助成金から3000万円以上の大金を持っていかれるのは構わないが、せめて3000万円に見合った事務手続きを見せてほしいのよ。事務作業のスピードと質って大事だと思う!

さて、私の雇用の件、私はこれ以外にも二つのプロジェクトからお金を得る予定があるので、どの雇用形態がベストなのか話し合いをした。選択肢を複数いただいたので、あとは私が望む雇用形態を選ぶだけ。自分で選べるのはありがたい。私はたぶんフルタイムにするかなぁ。カジュアルで複数本もつと労働時間の自由度が高まるので同じ仕事でもお給料的にはガッポリだって。だけど直感的にシンプル契約をもつのがよい気がする。お金が少なくなってもシンプルに物事を進め、何事も正面突破が大事かなと。目の前の利益だけ優先すると最後の最後でぐちゃぐちゃになって雑務が増える気がするのよね。そもそも私のキャリアパスって特殊だからさ(笑)一つ一つをシンプルにしないと大事なものが見えなくなりがちなのよ(笑)。

私のように手足を動かす研究者は他に2名いて、彼女たちはこのプロジェクト1本なのでシンプルな契約でよいのだそう。なんか私のせいでPとボスの仕事を増やしているのではないかと少し申し訳ない気分にもなる今日この頃。

 

Pの持ちこみの議題を議論した後、最後にPが言った。

「XXX、ごめんね。今朝プロトコル送ってくれてたよね。いまからみるからね。」

覚えてたのは嬉しい。すぐに目を通してくれたのはもっと嬉しい。

サーチタームの選定についていくつか質問を受けたのでサラサラと回答しPも納得。やっぱり準備って大事。例えば「このタームはどこから来たの?」と質問されるのは目に見えていたので、参考論文のタイトル・年・ジャーナル名、論文のリンクをコメントに貼っておいたのだ。こうして事前に質問される内容を予測してワードコメントを受けておいたので質問には難なく答えることができた。私は本当に英語ができないので、それを補うには時間かけて丁寧にドキュメントを作るしかない。

 

こうして私が書いたプロトコルは近々チーム全員(7名)で議論することが決まった。プロトコル書いて本当によかった。

勉強になったのはPの仕事の速さだけではない。プロトコルのアプローチの仕方。私が作ったサーチストラテジーが少し複雑でボリュームもあったから「XXXのフレーズが想像以上に存在する」ことを理解してくれた。Pは少し驚いた様子。私だって驚いているよ。だから私はいま途方にくれているのだ。

そしてPが私に指示を出した。

世界中の論文からXXXに関する定義をピックアップ

オーストラリアの診療報酬の元で使用されているXXXの定義とオーストラリアの職能団体が作成したガイドラインにおけるXXXの定義もピックアップ

えーっと、今週かけてもそれって終わらないよね?って一瞬思ったけれど、定義を集めててからサーチストラテジーを見直すというアプローチはありだと思ったので、YESと即答した。私の予想だとXXXの定義を集めたとてばらつきがあるのは目にみえている。それをまずは知らないとレビューには進めないってこと。なんなら指示された内容がこそがレビュー業務だと私は思うのだけど(笑)。

抽象的な書き方しかできないからわかりにくいと思うけど、ようはただでさえ時間足りないのに、Pからは「膨大な情報を集めてくれ」という簡単ではない任務をうけたということです。ぼちぼち頑張ります。

では。